ココロとカラダ

ロルフィングとトラウマ

「トラウマは出来事の中にあるのではなく、その人の神経系の中にある」
ピーター・ラヴィーン

3 月15日に、日本ロルフィング協会主催のワークショップに参加してきました。上級ロルファーであり、かつ、ソマティック・エクスペリエンス・プラクティショナーでもある Lael Keen(日本語表記はラエルまたはレイエル・キーン)を講師として招き、”ロルフィングとトラウマ”というテーマで、丸一日濃い時間を過ごしました。

ロルフィングは心理面でも問題は扱わないのが鉄則です。
扱わない、というのは、ロルファーは心理カウンセラーでもなければサイコセラピストでもないので扱ってはいけないという意味と、たとえセッションがきっかけとなって心理的な問題が表出してきても、クライアント自身が解決すべき問題であるから関与してはならないという意味とがあると私は解釈しています。


しかし、体と心は密接な関わりをもっています。
肩を落とす、息を詰める、腰がひける、うなだれるといった言葉にも明らかなように、感情は身体表現となって表出します。家庭での虐待や職場での被抑圧行為として何回も繰り返し体験する感情とその反応としての姿勢は、パターンとして体に定着します。

体に姿勢や癖として刷り込まれたパターンをロルフィグのセッションで解除してゆくと、体に押し込められていた感情とそのもととなった体験が表出してくることがあります。

そういう現象に出会った時に、ロルファーは心理面での問題は扱わないという鉄則を破ることなく、かつ、クライアントに対し適切な対応をとれるようになりたい。そう考えて今回のワークショップに参加しました。

参加してよかったー!と二日以上たった今もかみしめています。

セッション中のトラウマの表出はどのようにみてとれるのか、好ましい兆候とそうではない兆候は見分けられるのか、好ましくない兆候がみてとれた場合にはどう対処するか等々を、生理学・生化学・神経学からのアプローチで学ぶことができました。

肉体に押し込めていた感情、体験の記憶が表出する時、それはその時に終了させる必要があります。最後まできちんと処理しきれていない外傷体験は、完了させる必要があるということ。それが今回得た大きな学びのひとつです。

トラウマについて詳細に・深く学びたい方は、ソマティック・エクスペリエンスを学ばれることをお薦めします。

….って偉そうに書いてますけど、私自身も学びたいんです。最低でも3年はかかるので、どんどん学びにゆかないと、おばあちゃんになってしまう〜!
体と心のことは知れば知るほどに奥が深く、複雑で、繊細で、興味がつきません。