魔女の一撃に見舞われた!とっさのセルフケアで急場をしのぐ
2月11日の建国記念日、大阪出張セッションを終えてパッキングのために中途半端な高さのベッドに屈み込んだ途端、強烈な痛みがビッ!!!と左の大臀筋あたりに走って腰方形筋もギュンっとなった。
ギックリ腰というかギックリ尻というほうがしっくりくるなこれ、とか思いながらとりあえず腰方形筋をリリースして室内をウロウロと歩き回ってみる。左股関節を伸展するとお尻から腰にかけて痛むことがわかる。
前屈してみようとすると、コントか?!ってくらい出来ない。脚の後ろ側全部:ハムストリングスもヒラメ筋もバンバン。襲い来る痛みにウギャッとかひとりで声をあげながらストレッチをする。
痛みは少しずつ軽減するも、こんどは左股関節の鼠蹊部が痛むことに気がつく。鼠蹊靭帯はそもそも固めのものではあるけど、靭帯周辺が無視できないレベルで痛い。仰向けになり大腰筋にアクセスしようとするも、腹部が固くて指が入ってゆかない。腹部の浅層を弛めてから大腰筋と腸骨筋リリース。
痛みは移動する
そうこうするうち左股関節の伸展はだいぶマシになるも、屈曲させると腰に激痛。それに加えて腰のつまり感と仙骨周辺のヤバそうな痛みが出てきた。
ここで動かないでいるとさらにひどくなるので、チェックアウトの時間までひたすら室内を歩きまわる。新幹線に乗り込んでからも、骨盤を後傾させるとびっくりするぐらい痛いので、リクライニングシートをほんの少しだけ倒して、背もたれと腰の間にぐるぐる巻きにしたマフラーをつっこんで、無駄にいい姿勢で帰京。
動かすことで痛みを早期解消
初動が大事なので翌日、鍼灸へ。施術台にうつぶせになったら左足裏がなんとなくしびれる。ああ…梨状筋、かたいから神経を圧迫しているなぁ。
「坐骨神経痛なんじゃない?」という所見をもらって「これが坐骨神経痛!?」と半信半疑ながらも、なるほど…座っていると症状が悪化するし、それもひとつかなぁとのんきに考える。
教科書で知っている坐骨神経痛の症状にはあんまり当てはまらないのだけど、鍼灸師の先生によると坐骨神経痛の感じ方には個人差が大きくて、患者が言語化して伝えてくる内容のバリエーションはとても広いのだそう。確かに、痛みは言語化して伝える必要がある。どういう痛みをピックアップして、どのような言葉を選んでどう表現する(言葉の抑揚、ジェスチャーや表情などボディランゲージ含む)かは、個人差が大きい。
ひるがえってわたしの場合、最も痛むのは骨盤後傾したときの動き。ヤバい予感のするイヤ〜な痛さ。骨盤を後傾させると仙骨を中心としてハムの方にかけて放射状に痛みがビビビビビビビビッと広がる。ああ…仙骨からの馬尾(ばび)神経ってこんな風にでてるよねと実感。
認めたくないけど、腰椎ヘルニアっぽい予感もある。
が、だからなんだ。腰椎ヘルニアだろうがなんだろうがわたしはこの体で生きてゆくのみ。ヘルニアでも管理は可能。必ずよくなる。動かさないとあかんのだ!と気を取り直して、水曜日から通常営業で複数のセッションを普通に行う。痛みは悪化するどころか軽減していった。
3日経ってわかったのは「やっぱり動かさないと悪化させるね!」ってことだった。5日以上経過した今、ほとんど痛くないレベルになり、しびれもない。
ギックリ腰でも坐骨神経痛でも腰椎ヘルニアでも、過度の安静はよくない。
とびあがるような痛みを体験すると気持ちにダメージを負うし、「この痛みがずっと続いたらどうしよう」と怖くなってしまうけれど、動作に伴って筋肉に感じる痛みはたいていの場合、一瞬で去る。いつまでもそのレベルで痛み続けるわけではない。怖がって動かずにいると、長引くうえにへんてこな動きを身体が編みだしてしまい、それを解消するのに後で苦労する。
「ギックリ腰になるなんてボディワーカーとして恥ずかしい」と、以前の私なら感じて黙っていただろう。でも、この痛みの体験があるからこそクライアントの役に立てることもあるかもしれない。自分が体験したことでないと確信を持って伝えにくいものだから、恥を忍んで今回の体験を貴重な学びの機会としたい。