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「させていただく」は何故失礼なのか

認定ロルファー™の利香です。
前回書いた敬語の話(「ビジネスメールの基本・スマートな敬語を目指すならやめるべき3つのこと」)に対して、「させていただく」はなんでダメなんですか?と複数の方からご質問がありました。もしかしたら同様な疑問を感じる方もおいでかと思いましたので、こちらでも私の見解をまとめておきます。

営業電話を受けたらいきなり5回は聞くはめになる「させていただく」。

「わたくしども、ホームページのSEO対策サービスを提供させていただいている会社なんですけれども、今日ですね、お電話させていただいたのは、オーナー様に、渋谷区の方の治療院様に特化した新しいSEO対策のご提案をさせていただきたいと思いまして、ご連絡をさせていただいたんですが〜」

一見丁寧な敬語のように響きますが、連呼されるとイラつくのはどうしてでしょう。
今日はこの「イラッ」をひもといてみます!

 

1. 押し付けがましさの正体

「させていただく」から敬語表現をとると「させてもらう」になります。「させる」という使役の助動詞と「もらう」という動詞がくっついたことばです。

使役とは「AがBに◯◯させる」という、最低でもふたりの登場人物(とか物)が必要な行為です。だから「お電話させていただいた」となると、誰かから頼まれて/指示されてわたしはこちらにお電話していますということになります。
しかし、日本語特有の「主語の省略」で、肝心の「誰が」が空白になっています。

脳は空白を嫌うので、省略部分を適宜補いながら話を聞きます。一対一の対話では、敬語表現の文において省略された主語を、大抵の人は「わたし」として無意識下で補って聴きます。

だから「は?俺、アンタに電話するように頼んだっけ?」とカチンとくるわけです。
向こうの都合で電話してきているのに。

「ご提案をさせていただきたい」
いや。提案してくれなんて頼んでないし。

「サービスを提供させていただいている会社なんですが」
え。会社するのって許可制なん?てか、知らんがな。

「ご連絡させていただいたんですが」
だからそんなこと頼んでないし!

誰もなんも頼んでいないのに恩きせがましいな。
腰低そうな様子を装いながらとんでもないやっちゃ。

これが「させていただく」の押し付けがましさの正体です。

 

2. 切口上(きりこうじょう)のニュアンス

「させていただく」がかつてよく使われた場面といえば、「実家に帰らせていただきます」「勝手にやらせていただきます」のように、喧嘩の場面での捨て台詞です。

そういう文脈で使われていた背景を持つことばなので、「アンタがどう思おうとワタシはこうするからな!」という切口上のニュアンスが、そこはかとなく漂います。

これは昭和55年ぐらいまでの生まれの人なら「あ〜そうかも」と、感じることではないかなと思いますが、おそらく新しい世代の人たちが増えれば、そういうニュアンスも薄れるでしょう。若い人ほどこの「させていただく」を万能敬語みたいに使いたがるのも、むべなるかなと頷けます。

 

3.「させていただく」に込められた政治的配慮

・誰が最初に使い始めたの?

「させていただく」を最初に多用しはじめた人たちは、もしかしたら芸能人だったかなと思います。

新しい連ドラでの主役やヒロインの役になった人たちが「今回、◯◯という役をやらせていただくことになった・・・」という表現で挨拶されているのをよく目にしますよね。

その役を狙っていた人たちがいたり、共演者の中には大先輩や自分より実力で優れている人たちがいたりするわけです。

そんな中で「オレの実力でもぎとったんですけどね」「事務所の力で貰った仕事なんですけどね」とか言えません。

だから主語を曖昧にすることでのりきる。

「(監督に抜擢されて)◯◯という役をやらせていただくことになった」
「(応援してくださっているファンの皆様のおかげで)◯◯という役をやらせていただくことになった」

( )の中は、聞く人がいかようにでも補ってくれます。

謙虚さをアピールできて、かつ、誰も悪い気分にならない、高度な政治的配慮に満ちた表現なんですね。

・「させていただく」を使うのが適切な場面はあるのか?

結論から言うと、あります。

先ほど書いたように、「させる」は「Aの意志で・指示で・依頼で行う」という意味ですので、顧客の指示でなにかをする時や、選挙に当選した人が挨拶するような場面です。

「◯月◯日付のご依頼により、包袋一式を技術部から送らせていただきます。」
「信任投票の結果、理事を務めさせていただくこととなりましたXXです。」
「今回の選挙で、皆様のお力添えのお陰で市議をさせていただけることとなったYYです。」

本来、「させていただく」はこういう場面で使われるものです。

だから、自己紹介の際に「東京でマッサージをさせていただいているBです」や
「(自分が法人化した会社の社名)の代表をさせていただいているCと申します」というのはおかしな表現なんです。

なぜなら、やりたくてやっているんでしょ?誰の許可も要らなかったでしょ?

資格や登記の条件等は必要だったとしても、その場にいる特別な誰かに許可や依頼によってその仕事や会社経営をしているわけではありませんよね。だったらその敬語表現はちぐはぐなものとなります。

「東京でマッサージセラピストをしておりますBです」
「株式会社◯◯代表のCと申します」
これで十分です。

敬語はコミュニケーションの潤滑油として使われるもの。
相手をいらつかせてしまっては本末転倒です。
なんとなく使っている過剰な”おもねり表現”をやめてみると、周囲からの信頼感が高まるのも事実です。
よく言われるように、ことばは思考をつくり、思考は行動をつくります。
敬語のニュアンスにこだわるのは、一見すると重箱の隅をつつくようなことかもしれませんが、ことばを正すことで心の在りようも整えられます。

 

 

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