読んだ本

生命の美・造形の美 スーザン・ミドルトン著『海の美しい無脊椎動物』

認定ロルファー™の利香です。

 

近所でこんな植物の穂先を拾いました。
ふさふさと和毛が生えていて、よくみるとグロテスクなびっしり系…。
しかし造形が面白く、穂先の格好や種の様子、穂の根元のウロコ模様に美しさを感じます。

わたしの目に映る美しさを、強調する加工をした写真がこちら。

 

 

どうしても散らばってしまう小さな種やホコリをトリミングし、モノクロームで深い陰影をつけることで、この奇妙さが際立ってきます。
影が「?」の格好に見えるのも偶然の産物ですが、気に入っています。

こういう生命の美しさを感じるものを、わたしは昔から飽きることなくまじまじと眺める癖があります。不思議さに心を激しくうたれるのです。

スーザン・ミドルトン著『海の美しい無脊椎動物』という本を買いました。

美しい写真と文章から成る書物で、ヒトを含め哺乳類は地球上では少数派だという事実に驚いたり、口と肛門が別々ではない生物に驚いたり、読み応えたっぷりです。

撮影したカメラマンの、生物に相対(あいたい)するときの姿勢がとてもいいなぁと感じます。被写体と意思を通わせていると、彼女は確信しています。

タコやイカはともかく、海をゆらゆら漂う無脊椎動物と意思を通わせることなんてとうてい無理だとわたしも思っていたのですが、この本を読み進めるうちに、子どもの頃、鵜原の磯で毎年のようにつついたり観察したりしていたイソギンチャクやウミウシの様子を思い出し、あいつらはこちらの気配や意図に非常に敏感だったな!と気がつきました。釣り餌のうねくねと動き回るゴカイでさえそうでした。

食べるために買ってくるあさりやハマグリも、「モノ」としてがちゃがちゃと扱うと固く口を閉ざしたままですが、「生き物」として慎重に扱うとすぐにでろ〜んと出てきます。
わたしたちから出ている「なにか」を無脊椎動物もキャッチして反応しているはずです。

そういうことも含め、生き物の不思議にうたれます。

命の美しさや不思議を見る目は、何歳になっても持ち続けたいものです。