ココロとカラダ

人混みをスイスイ歩く秘訣は意識にあり

認定ロルファー™の利香です。


 中央線沿線に生まれ育ち、いちばん好きな街は新宿。16歳ごろから新宿歌舞伎町界隈をうろうろしているので都市の雑踏の歩き方は身についているのですが、人を避けて歩くのはやはり疲れます。股関節唇損傷の手術を受けた後、杖をついていてサッと身をかわすことが困難になった時期には、ラッシュ時の大阪梅田の地下街を歩くのも、かなりつらかったです。
 特に、ひとりで歩いている女性を狙って体当たりをかましてくるタチの悪い男性や、電車の昇降時にぐいぐい押してくる人などもいるので(「漏れそうなのかな」って思ってますけど)、他人の悪意を含めあらゆる思惑を感じ取ってしまう性質だと、なおさら疲れてしまいます。

 仕事で渋谷駅や東京駅といった、多様な人たちが行き交う大きなターミナル駅を利用する機会が増え、人にぶつかられないように歩くにはどうしたらよいのか…と真剣に考えてあれこれ試してみた結果、もっとも効果があるのは「超然とすること」でした。

 移動中は時刻や乗り換え時間、ホームの場所、空いていそうな通路や車両、杖をついてゆっくり歩く高齢者、向かってくるベビーカー、大きな荷物を引いて突進してくる人、動こうとしない学生等々といった、ありとあらゆるものに意識が鋭く向いてしまいます。危険回避のつもりで認識しているものに意識を向けすぎると、視野を狭くして体の感覚をシャットアウトしてしまいます。キョトキョトと視線をあちこちに配ったり、あるいは一点だけ凝視したりした状態で身体を防御モードにしてちょこまか歩いていると、たくさんの人に当たってしまいます。

 わたしが実践しているのはまさにこの逆です。「超然とする」と上に書いたように、姿勢を正して仙骨を立て、左右の耳をつないだ軸を感じてから視線を水平に保ち、どこにも焦点を合わせずに一定の歩調で歩く。視線は上過ぎても下過ぎてもダメです。100m先にあるビルの2、3階ぐらいをみているぐらいの高さにしておくのがおすすめです。進行方向に対して自分の胸をまっすぐに向け、目的地のことをぼんやりと考えます。意識は百会(ひゃくえ。頭頂部にある経絡)よりも、やや前に置く感じです。

 これをすると視界が広がり、雑踏で蠢く人たちの動きを広くとらえることができます。が、反応はしなくても大丈夫です。意識をこのモードに切り替えて歩くと、不思議なほど人がわたしをよけてゆきます。(日能研のバッグを背負った傍若無人な小学生は突っ込んできますが)
  

 視線を遠くに置いていることで「こいつ、避ける気ないな」と感じさせるのかしらねぇと思っていたのですが、先日、アドバンスト・ロルファー™の平田継夫さんから「意識をそこに置いて立つと、そこに1本の柱が立ったみたいになるからみんな避けるんですよ」と教えてもらいました。
 ほんとうにそんな印象なのかな?と思っていましたが、クライアントさんから昨日、「そのモードにすると立ち姿からして変わるし、雰囲気がガラッと変わりました」と評してもらい、「やっぱりそうなんだ!」と納得。わたしの身長は162cm。普通の身長ですけれど、それでも効果は抜群です。営業や買い物、出張などでひとり雑踏を歩くことが多い女性の皆さんのお役に立てれば幸いです。

 

年末は31日まで。年始は1/4から営業します。
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