ココロとカラダ

受容は諦めとはちがう

認定ロルファー™の利香です。

 

10シリーズ終了後も長くメインテナンスにお越しくださっているお客様ふたりのセッションが、昨日はたまたま重なりました。
 

世代も体の状況も全く異なる方達ですが、それぞれチャレンジを抱えていらっしゃいます。

おひとりはご高齢で、脊椎(二箇所)の圧迫骨折経験があります。
下肢の怪我歴・治療歴も多く、整形外科の「お得意様」を自認されていますが、わたしのところにかれこれ2年近く通ってくださっています。

もうおひとりはわたしと同じく、先天性股関節形成不全の方です。
整形外科にも定期的に通って保存療法を継続中。
人工関節置換手術は「最後の手段」と考えていらっしゃいます。

 

おふたりに共通しているのは、身体のチャレンジを悲観したり呪ったりせず受け容れている姿勢です。

最初からそういう割り切りがすっぱりと出来たわけではないでしょうけれど。

受け容れることは諦めとは違います。
おふたりは「それでもわたしが生きたいように生きるために、出来ることはしたい」と、ロルフィングを受けに通ってくださっています。

身体を含め、自分の欲求とのネゴシエーションが上手なんだろうなと感じます。

 

All or nothingで考えていると、できる・できないでしか自分の身体を見られなくなります。

たとえば、「山に登りたいな」と思ったとします。

股関節に負担がかけられない身体ではやっぱり難しいだろうな…諦めよう…それしかない。と、諦める方に直結させる思考パターンが身に染み付いている人もいます。

もしあなたがそういう「諦める方向に傾きがち」だという自覚があるならば、やりたいことを細かく分けてみて、どういう体験をしたいのか、本当に望んでいるのはどんなことか、を確認してみてはいかがでしょう?

・標高1500メーターぐらいの山に登りたい。
・いつもと違う景色がみたいから、
 頂上からの眺望がいいところが希望。
・山好きな友達と一緒に登山がしてみたい。

このように自分の望みをはっきりさせると、途中まで車でゆける1200メーターの山で
頂上からの眺望も素晴らしい山で、やりたいことのほとんどがかなうわけですね。

全行程を自分の脚で登り下りしなくちゃ山に登ったとは言えないのよ!とこだわらなければ。

 

 

身体が思う通りにならないフラストレーションは、放っておくと思考まで窮屈にしてゆきます。

複数の視点を持って自分自身に対して交渉上手になるのが、豊かな受容への鍵なのです。

そういうことを、ワークを通じて互いに理解を深め合える。この点においても、ロルフィングはただの整体とは違うなぁと感じます。

 

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