ココロとカラダ

疲労回復には背中をしなやかにしよう

認定ロルファー™️の利香です。

最近寝ても疲れがとれない、特に何もしていないのにすぐに疲れてしまう。年齢のせいだと思って諦めモードになっていませんか?

体力が落ちているわけでもないのに疲れやすく回復しづらい人は、背中の筋肉がガチガチだったり、力んでいて脱力が苦手だったりします。疲れてくると背中や腰がつらくなる/背中や腰がしんどくて疲労を感じる方に向けて、記事を書きました。

背中の筋肉がガチガチになる理由

背中側の筋肉のほとんどが姿勢保持に関わっています。横たわっている時以外は「オン」になっていて、常にどこかしらの筋肉が働いています。これらの筋肉が不要に力んでいたり、酷使されていたり、しなくてもいい動作を担っていたりするのが、背中の筋肉のかたさをひきおこします。
例えば、座って仕事している時に前傾姿勢になっていないか?立っている時も体重を爪先の方で支えていたり片脚だけで支えていないか?歩く時に首を突き出し前のめりではないか?骨盤を前傾させて胸を無理やり張っていないか?ぜひ自分の姿勢のチェックをしてみてください。

直立二足歩行での姿勢保持は、高度なワザ

たくさんの筋肉を使って頭を肩よりも高いラインに支えつつ動くことに、通常は困難を感じませんよね。しかし、ひとたびギックリ腰やヘルニア、圧迫骨折などで背中側を傷めると、途端にしゃっきり立って何かをすることが難しくなります。

こんな記事を先日読みました。

【脳波で操作する外骨格型スーツの実験に成功】
https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/news/19/00072/?utm_source=facebook&utm_medium=social&utm_campaign=bp_20191024_03&fbclid=IwAR1x1TGsBDdT-MHkuT62FcpURCmdZphmpPCygH3jN5Jbfww0hIJUKayWqMM

外骨格を動かせるモビルスーツみたいなもので支えてもらっているわけですが、これだけの装置をもつてしても、「歩行にはバランスを保つために天井から吊り下げたハーネスを使う必要があった」。
直立二足歩行がいかに複雑な動作であるか伝わると思います。意識していないだけで、繊細で非常に難しいバランスのうえにわたしたちの日常の動作は成り立っているのです。

その繊細なバランスを維持する筋肉が、長時間の座り仕事や職業上強いられる動作、精神的なストレスや怪我、病気、妙な姿勢などから、常に緊張を強いられているのが現代人の生活です。そりゃガチガチにもなりますよね。

背中のかたさ どうしたらゆるめられる?

フォームローラーで背中をゴロゴロしたり、テニスボールで背骨の左右をグリグリしたり、家でならあれこれできます。ヨガの猫のポーズや犬のポーズもいいですね。今日は自宅でなくても・特別な道具がなくても・気がついた時にできる背中のリラックスを紹介します。

鍵は肩甲骨にあり

とても簡単なYTML体操をやってみてください。これは肩甲骨のエクササイズですが、肩甲骨周りの筋肉、肩関節から二の腕にかけての筋肉、そして大・小胸筋をしっかり動かすことで背中をスッキリさせる効果があります。(身体の前面にある胸筋の拘縮が、巻き肩の原因を作っています)

簡単に説明すると、両腕を挙げて左右の肩甲骨同士を引き寄せながらアルファベットのY → T → W → Lの形を作る。各動作は15秒保持して合計2セット。1セット1分なので、都合2分間のエクササイズとなります。

動画は英語です。動作や手のひらの向きなどの確認に使ってください。

 

YTWL体操の各動きに共通する注意点は
・15秒は正確に時計でカウントすること
・腕は体幹より前へ出てはいけない(肩甲骨を引き寄せられていない)
・おへそを突き出した姿勢ではやらないこと(腰に負担がかかりすぎる)
・親指は常に後ろを指していること
以上の4点です。

YTWL体操のやり方

1. 脚は股関節幅〜肩幅に開いてまっすぐ立つ

2. 両腕を45度に上げて、アルファベットのYの形になるように姿勢をとる
 ※手のひらは内向き。親指は後ろを指している
 ※肘は曲げず、まっすぐにする
 ※肩甲骨を背骨の方へと寄せる
3. この姿勢のまま15秒キープ

4. 次に両腕を床と平行にし、アルファベットのTの形にする
 ※手のひらは内向き。親指は後ろを指している
 ※肘は曲げず、まっすぐにする
 ※肩甲骨を背骨の方へと寄せたままにしておく
5. この姿勢のまま15秒キープ

6. 次に肘を曲げて指は上を向け、アルファベットのWの形にする
 ※手のひらは内向き。親指は後ろを指している
 ※肩をすくめない
 ※肩甲骨は背骨の方へと寄せたまま、下へと下げる
7. この姿勢のまま15秒キープ

8. 最後に肘を体側へと引き寄せて前腕を床と平行にし、アルファベットのLの形にする
 ※手のひらは天井へ向ける。親指は後ろを指している
 ※肩をすくめない
 ※肩甲骨は背骨の方へと寄せて更に下へと下げる
9. この姿勢のまま15秒キープ

10. もう一度2から9までを繰り返す

肩こりがひどい人は、これだけでもかなり厳しいと思います。前腕部がかたい人は、もしかしたら親指がピリピリするかもしれません。ゆっくりと呼吸することを意識しながらやってみてください。背中が腰の方までゆるんできて、からだがホカホカしてきたら成功です!

 

こういうエクササイズはやらないよりもやったほうがいいものですが、最初の「まっすぐ立つ」が既に難しくなってしまっている人もたくさんいます。自分の「まっすぐ」は、果たして本当にまっすぐなのか?体重が前後や左右に偏っていないか?どこかにねじれを感じないか?そんなチェックも忘れずにしてみましょう。スマホやテレビを見ながら雑にやっているエクササイズは、何の利益ももたらしません。からだに意識を向けること。それが最も重要です。
エクササイズや筋トレでからだの問題を解決するのは難しいと感じたら、ロルフィングを受けにいらしてください。体験セッションは随時受け付けています。

 

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