ココロとカラダ

視覚優位文化と肩こりの関係

認定ロルファー™の利香です。

歌舞伎座にて「実盛物語 源平布引滝」を観てきました。 

実盛物語は実際にはとても長いのですが
わたしの観た一幕は
源氏の白旗をめぐる段でした。

のっけから斬り落とされた女の腕が登場。
拾ったのはその腕の持ち主:小万の息子と父親。

斬り落とした本人も登場し、
小万の両親と息子の前で
殺害の経緯を語るという展開。

息子を演じた子役が上手で
よかったのはいいんですけど
腕を斬り落とした本人=母の仇(かたき)から
「お前は手塚と名乗るがよい」と言われるわ、
(あんたが言うか!と心の中で激しく突っ込む)

実の祖父が孫に自らの首を斬り落とさせ、
首は転がるわで
今だったらR15必至。

複雑に入り組んだ登場人物の相関図が
頭に即座に入ってくるほど
ビジュアルが強烈な舞台でした。

 

歌舞伎はあらすじは荒唐無稽なのですけれど、
アニメもゲームもなかった時代の娯楽として
人気があったのは、たぶん衣装も化粧も演出も派手で
視覚面での楽しみが大きかったからでしょう。

 

日本は視覚優位の文化だと感じることが多々あります。

飲食店では店頭に食品見本を並べ、
メニューには写真を多用。
外国ではメニューは基本的に文字情報のみ。
でてくるまで本当はどんなものなのかわからない。

 

わたしは編みもの歴38年なんですけれど、
日本ではこんな感じの編み図が主流。

編みものの本場、ヨーロッパでは
このような「編み図」はなく、
1段ずつどうやって編むのかの説明が
文章で延々続きます。

目で見てわからない!というのは
これに慣れていると大きなストレスですが
目で見ることばかりに偏っていると
体も思考もバランスを崩します。

 

ただでさえ現代は
パソコンでのデスクワークが増えているので
目を酷使しています。
わたしのクライアントさんたちも
肩こりを訴えない人はほとんどいません。

僧帽筋、菱形筋がはっているだけでなく
肘から手首にかけての前腕部や
首にある胸鎖乳突筋も
ガチガチに硬くなっている方が多く、
目を緊張させ、息を詰めて
作業しているのが伝わってきます。

 

仕事でパソコンに向かい続けたあとは
スマートフォンをいじって
うつむいた状態をキープしていたら
そりゃ首もガチガチになります。。。

 

人には視覚以外にも感覚が備わっています。

嗅覚、聴覚、触覚、味覚。

視覚ばかり過剰に使うと
自律神経にも影響があるので
(眠りの質の低下を訴える人もいます)

デスクワークのあとには
スマホは触らず、
猫を撫でたり
おいしいものを食べたり
外に出て空気の冷たさや匂いを感じたり、
視覚以外の感覚を働かせてみてください。

肩と首の緊張が緩んでくるはずです。

 

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