ココロとカラダ

体のスプリング

大寒を前に随分と冷え込んでいます。今朝、雨戸を開けた時に思わず「さっむ!」と叫んでしまいました。

週が明けたらすぐに冬の土用に入りますね。夏の土用ばかりが有名ですが、冬にも、そしてもちろん春秋にも土用があります。冬の土用が明けたら立春、春の土用が明けたら立夏、夏の土用が明けたら立秋、秋の土用が明けたら立冬。つまり土用とは四季の立つ日:四立の前の約18日間にあたります。

五行の思想の詳細は存じませんが、この間はちょうど季節の変わり目にあたり、体調を崩しやすいとも言われます。心身に高い負荷をかけ続けないよう普段より気をつけて過ごした方がいいよという、先人の知恵かと思います。

土用入を前にして、私自身もロルフィングのセッションを受けてきました。そして改めて感じたのが、関節は体のスプリングみたいなもんだなぁということでした。


関節する骨と骨の間には椎間板があったり、関節包と呼ばれるジェルパックみたいな組織が挟まっていたりします。そういう軟組織が間に挟まることで、関節している骨同士が互いにガチガチぶつかりあうことなく、曲がったりねじれたりが可能になるのです。関節を上からぴちっと縛り補強する、ゴムバンドみたいな役割の靭帯も必要です。

関節の可動域は広いほうがいいと思いがちですが、大事なのはそれだけではなく、弾力性と元に戻る力です。アキレス腱を断裂したり、靭帯を伸ばしてしまったりした足首は可動域は広くなりますが、不安定です。理想的なのは、・安定し・適度な可動域を持った・機能的な関節です。

そういう関節を多く持っていると、体全体が弾性に富んできます。
体の重みをどこに逃がすか・体に加わる衝撃をどう逃がすか。
5kgほどにもなる重たい荷物:頭をてっぺんに乗せて、二足で歩くニンゲンにとっては、これはとても重要な課題です。立っているだけで疲れる、ちょっと他人とぶつかっただけで倒れるのでは困ります。


上の図では一番左側が理想的なアライメントのモデルです。
細い線で描かれている、身体の輪郭線をみていただきたいのですが、首の後ろ・腰・膝裏・足首になだらかなカーブがみられます。他の3体には、いずれかのカーブが深すぎるか浅すぎるかの特徴があります。この4つのカーブが理想的=4箇所の大きな「関節」に適度な可動域と十分な弾力性があると、疲れにくく転びにくい身体になります。

特に女性は、ハイヒールを履いたり左右の膝の内側をぴったりつけて立ったりする事が多いため、膝の後ろがまっすぐの人が多いのですが、そういう姿勢だと骨盤が深く前傾し腰椎に負担をかけすぎて腰痛を引き起こしたり、膝関節が張り詰めているためにちょっとの衝撃で大ゴケしてしまったりします。

文化的に「美しい」「良い」とされる姿勢が、必ずしも人本来の身体にあった姿勢ではないということです。

電車で立っている時に膝を緩めてみる、腰のカーブが深すぎると感じたらすぐに仙骨をたててみるだけでも、腰の緊張や上半身のバランスまで変わってきます。

体のスプリングの感覚を呼び戻すと、気持ちの柔軟性も出てくるから不思議なものです。忙しい年度末にカッカしたくない方、是非セッションを受けてからだとこころに余裕を取り戻してください(笑)