ロルフィング

基本を手渡す

認定ロルファー™の利香です。

「応用することで目を逸らしてきたこと」

こんな基礎的な内容では確かな物が伝わらないかも、相手が気づきを獲る前にやめてしまうのでは、もっと出来る事があるのに。

 

理学療法士でジャイロトニックトレーナーの伊藤さんが書いていらした上の記事を読んで、ハッとしました。(2019年8月5日現在、リンク切れとなったためリンク削除)

私は10シリーズセッションという、10回で1セットのセッションを提供しています。

10シリーズにはレシピと呼ばれる手順が決められています。

それに則りながら、個々のクライアントに最適なセッションを毎回組み立てます。
レシピも基礎だし、インスティチュートで習ったテクニックは基礎中の基礎です。

が、焦りから応用技をくりだしたくなることがあるのです。

今日はこれに関連して、ロルフ・インスティチュートでの私の学びについてお話ししたいと思います。

ロルファーになるためのトレーニングは3つの学期から成り立っています。
各学期の授業内容をざっくりと説明するとこんな感じです。

フェイズ1:
解剖学・生理学・倫理等主に座学&人の体に触れる基本のタッチの実技。
フェイズ2:
10シリーズの基礎となるレシピを学ぶ。生徒同士で10シリーズを施術しあう。
フェイズ3:
10シリーズをより深く学ぶ。現地ボランティアクライアントふたりに10シリーズを施術する。

 

私のフェイズ2のインストラクター(指導教官。経験豊かなロルファーがなります)はトーマス・ウォーカーというロルファーでした。彼は頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル)に長けていて、そのセンスをロルフィングのセッションにも積極的に取り入れていました。

トーマスのデモ・セッションを見学していてもキョトンとなることがたびたびあったのは、トーマスがみせてくれるクラニオセイクラル色のつよい、応用編の技術を当時はよく理解できていなかったからです。

with Thomas Walker in Boulder, CO. Summer of 2015.

トーマスは人格者でもあって、彼からはとても大切なことをいくつも学びました。

長い目でクライアントの人生をみること。
compassionateであること。
大きな心を持つこと等々。

ほかにも、これさえあればこの先どんな困難に突き当たっても私は立ち直れる、と確信できるような大きなものを与えてもらいました。

 

しかしこれはマインドの問題であって、技術ではありませんでした。

 

このことを思い知らされたのはフェイズ3の1週間目。
メイン・インストラクターのラリーがニコニコしながらこう言ったのです。

「トーマスと同じことができると思うな。トーマスは20年以上のキャリアがある、経験豊富で才能あるロルファーだ。君たち風情になにができる。」

ラリーはエンジニアとして一般企業で長く働いた後にロルファーに転身した人で、工程管理・時間管理に非常に厳しい人でした。

トーマスというやさしいお父ちゃんの翼の下から、いきなり鬼教官の下に放り出されたような感じもしましたが(笑)
レシピに忠実にコツコツとセッションを組み立て、時間内に各セッションをコンプリートする時間管理・自己管理の大切さを叩き込まれたのはとてもよかったと思います。

私がセッションを必ず時間内に終えられるのも、応用編をくりだしたくなってもブレーキを踏めるのも、ラリーの教えのおかげです。

フェイズ2で応用技術を学んでいい気になっていたのを、そのまま持ち越してトレーニングを修了せずによかったとしみじみ思います。

ロルフィングの基本をきちんとクライアントさんに手渡すことが、最もその人の為になることだからです。

 

 

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