ロルフィング

関節のケアは、人生をどのように生きるかに直結している

認定ロルファー™の利香です。

 先日、久しぶりに江ノ島へ行ってきました。高校時代はよく行ったのですが、最後に行ったのはいつだったか思い出せないほど久しぶりでした。
 ご存知の方はよくご存知だと思いますが、江ノ島をぐるりとめぐるには、相当の数の階段を昇降しないとなりません。股関節唇損傷の縫合手術の後、短い時間であんなに階段をのぼったり降りたりしたのは初めてです。途中でそのリスクに気づいて一瞬青ざめましたが、自分の股関節の調子からいけば大丈夫と判断したところまで行ってきました。

 股関節形成不全のクライアントさんとお話ししていて、「股関節のケアは、自分がどのように生きるかを考えることに直結している」という話題になりました。わたしも軽度の形成不全とはいえ、「やばい。外れるかも」とか「股関節が不安定で怖い」とか「脚が痛い」「股関節周辺がおかしい」という思いをこれまでに少なくとも百回以上はしているわけで、お気持ちはよくわかります。
 今回も、江ノ島までわざわざ行ったのに全てを周ることはできなかったわけです。それを「悔しい」「残念」ととらえるか、「ここまでできたら御の字」ととらえるか。これもひとつの生き方の問題です。

 人工関節置換手術はハイリスク・ハイリターンです。わたしは必ずしも人工関節置換手術反対ではありません。むしろはやく手術したほうがよいと感じるケースもしばしば目にしてきました。
 痛みは「我慢すればそのうちよくなるもの」と「我慢したところでよくならないもの」があり、形成不全からくる変形性股関節症の痛みは後者です。
 痛みを鎮痛剤を飲んだり貼ったりすることでごまかしながら、人工関節置換手術を先延ばしにしているうちに、痛む関節をかばったおかしな動作が身についてしまったり、その結果体のあちこちの関節にゆがみが生じたり、運動不足から太ってしまったり、動きたくないがために筋力が衰えてしまったりします。これらは人工関節置換手術の後の生活のクオリティを下げるファクターになります。
 身体の歪みが少なく、筋力も衰えきっておらず、体重も重くない状態のうちに、人工関節への置換手術を受けるのが理想的です。

 どんな人生を送りたいのか。それを根幹に据えて、手術のタイミングを決めるのが最もブレない判断が下せるのではないかと思います。手術は、「敗北」や「お医者さんに治してもらう」行為ではありません。リスクを承知で自ら人生を掴みとりにゆく行為です。もし負けたようで悔しいとか、残念だという気持ちから手術をためらっているようであれば、手術後に痛みがなくなったらやりたいことをリストアップしてみてください。どんな人生を送りたいかは自分次第です。

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