日々のこと

思い込みの壁

現在、ビジネスの勉強をしていまして、そこでの課題で”私の強みとは?”を周囲の方々に訊くというものに取り組んでいます。(これを読んでいるリアルでの友人、知人のみなさま、個別のメッセージをお待ちしております!)

寄せられたコメントやメッセージを拝読していると、ああ、それも強みにカウントできるの?という気づきがあったり、そんな風に私は見えるんだと、セルフイメージとのギャップに驚いたりします。前者は、格別そこを強みと感じていなかったことを人様が褒めてくれるのですから、たいへん気分がいいものです(笑)
後者は、セルフイメージが思い込みや文化的価値観の刷り込み(女の子はかくあるべきだとか、自分の意志より周囲にあわせるべきとか)にいかに大きく左右されているか、改めて感じることも多々あり、複雑な気持ちになります。自分のことなのに、頭の中に思い込みの壁がある。なんなんだこれは。そんな驚きとバツの悪さも感じます。

こういうことに取り組んでいると、現実がシンクロしてくるのか、以前やってみたかったけれどなんとなく諦めてしまったことに、再度取り組むきっかけが急浮上してきます。
一昨日、ウェブサイトのソースを褒められたことをきっかけに、2000年から独学でHTMLタグを打って自分のサイトを作っていたこと、CSSやJavaScriptの勉強をちょこっとだけやりかけたことを次々思い出しました。
なぜなんとなく諦めてしまったのかというと、ひとつには、「これは理系の人の分野だから私にはしょせんちゃんとしたことは学べない」という思い込みがありました。事実、私は「文系」で、数Ⅰ(すういち)さえ満足に終えていない・教師が唖然とするほど高校物理を理解できなかった・化学すら四苦八苦という実績があり、「だから」「文系の私ごときが」プログラミングなんて理解できるわけがない。そう思い込んでいた節があります。
しかし現実にプログラミングを学ぶときに最も必要なのは、論理的に考える力。そしてコードを打ってゆくときに重要なのは、自分で決めたルールを守る根気です。文系・理系とか、高校時代の数学の成績や化学の理解度とかどうでもいいことです。

体にもセルフイメージとのギャップはあります。
長い間前のめりの姿勢をしていた人が、ロルフィングや他のストラクチュラル・インテグレーションのセッションをうけてまっすぐな姿勢になったとき「これはずいぶん後ろにそっくりかえっている。まっすぐなんかじゃない」と違和感を覚えることがあります。要は脳が錯覚を起こしているんですね。長年慣れ親しんだ姿勢こそが正しい姿勢だと思い込んでいて、最初はそのギャップに戸惑います。
そういうとき、クライアントさんには鏡や写真で実際の見た目を視認していただきながら、「後ろにそっくりかえっていませんよ」「これがまっすぐですよ」とお伝えするようにしますが、それと同様のことを、私は自分自身にもする必要があったわけです。

セルフイメージと実際とのギャップを少なくすること。これは単なる現状把握にとどまらず、そこから次のステップへと進むには不可欠な確認作業です。自分に何が欠けているのかばかりをみつめていても、望む目標にはたどり着けません。その代わり自分にはこれがある、あれができると知ることで、目標へのルート修正が適切にできるからです。

ストレスに感じる不自由さの正体の大部分は、自分の外にあるのではなく、あるいはこういった思い込みの壁なのかもしれません。