日々のこと

突然死んだら、いろんな契約をどうしたらいいのか

パスワードジェネレーターのスクリーンショット

認定ロルファーTMの利香です。

インターネットとクレジットカードがあればあらゆるものがすぐに買える、便利な世の中になりましたよね。STAY HOME中でもパソコンが買えたりAmazonプライムビデオを見られたりして、元からインドア派のわたしはますますインドア派になりました。

でも、今回のCOVID-19の騒動で「わたしがもし発症して、隔離入院になったまま死んじゃったら、いろんな契約はどうなるんだろ」と、ふと疑問が湧きました。

オンラインで管理している契約は契約者本人が死んだらどうなる?

Amazonプライム会員もそうですが、レンタルサーバー、プロバイダ、携帯電話等々、クレジットカードやオンラインバンキングを利用してネット上で管理している各種契約がいくつもあります。自動更新されて継続課金され続ける…?クレジットカード会社から督促が届いて、身内がそれに気付いてから手続きをする?いや、まずいでしょ…と。

保険などは紙の書類や証券が存在するので判りやすいし、死亡後に身内が手続きすることについてのシステムが保険会社側でしっかり構築されています。
問題は、わたしだけが把握しているネット上で完結している各種有料サービスです。これはさすがに身内といえども全てを把握するのは難しいですよね。できればさっさと解約して欲しい。みなさん、どうされていますか?

結論から先に言うと、わたしはこの問題をわたしのiMacにログインできれば全て解決できるようにしておきました。セキュリティ面でのリスクがあるので、詳細はここでは公開できませんが、わたしのやったことを書き出しておきます。

契約のリストを作成する

1.まずリストアップ

使用している有料サービスを手当たり次第にリストアップします。

・サービス名
・契約内容(プラン名など)
・支払い方法とタイミング
・解除手続きの要否
・ログイン画面またはサービスのトップ画面リンク
・どのメールアドレスを使っているか
(・パスワード)

自分でも忘れ去っているものや、オンライン会員登録を促されたけど面倒でやっていなかったサービス、パスワードが不明になっているものなどが洗い出せました。
複数のクレカを使っている人は、どのクレカをどのサービスで使用しているかなども書いておくと、解約手続きをする人の負担が減らせます。

2. パスワード管理

一覧にはパスワードを記載しておかないと意味がありません。
パスワード管理は実に煩雑です。手入力では間違いも増えますので、テキストエディタにまとめてコピーアンドペーストで使えるようにしておくのがおすすめです。
最もよくないのが手書きのメモに残しておくやり方です。大文字と小文字の組み合わせをうっかり誤って記入したり、oなのか0なのか、アンダーバーかハイフンかなどの区別がつきにくくなってしまいます。

とはいえ、パスワード流出のリスクを重くみて、デジタル文書といえどもアカウント情報と並べて記載したくない場合には、Googleアカウントに紐付けたChromeに記憶させておくのも手ですし、Apple製品ではキーワードを記録して管理してくれる機能もあります。

そもそもパスワードを人が普通に使う単語と数字の組み合わせにしていることが不安だと感じられたら、パスワード自動生成アプリを使うのがおすすめです。下記にリンクを貼っておきますので、興味のある方はどうぞ使ってみてください。

パスワードジェネレータースクリーンショットわたしがよく利用する、パスワードジェネレーター。ネット上でパスワードを条件に合わせて生成してくれます

https://www.graviness.com/temp/pw_creator/

 注意点

解約の順序には注意が必要

離婚後にあらゆるところに登録している姓名を変更する時に知ったハックですが、まず役所で戸籍謄本を発行し、それを持って運転免許証に記載の氏名変更手続きをすれば、免許証1つで銀行口座、クレジットカード会社、保険会社、その他各種契約の氏名変更がスムーズにできます。

解約手続きの場合も順番は大事です。ブラウザにパスワードを記憶させているのを利用して身内が手続きする時には、特に解約の順番に注意してください。

契約者本人のIDとパスワードでログインして解約手続きを済ませ、全ての解約手続きと最後の引落としが完了したのを見てからクレジットカードとプロバイダの解約をしないと、手続きがうまく行かなかった時や確認作業に支障が出ます。
認証URLを登録メールアドレスに送信するタイプの、セキュリティレベルの高いシステムなどの場合は登録メールアドレスの管理も必要です。

規約の変更

ネット上で完結する取引だと、支払いがある=契約更新とみなすタイプの契約もあります。それらは放っておけばアカウント停止になり、その後しかるべき期間を経たら自動的に契約解除となるケースもありますが、その規約がいつ変わるかは判りません。
契約相手の企業から来るメールには注意しておきましょう。解約手続きに関する規約が変更になったら、リストの記載も変更しなくてはならないかもしれません。

誰に手続きをしてもらうのか

これは本当に悩ましい問題です。
とてもではないですが、わたしのiMacをわたしの親は操作できないでしょう。家族といえば高齢な親か小さな子どもしかいないとか、パートナーがPC音痴である場合は、信頼できて、かつ、パソコンの操作がちゃんとできる友人に頼んでみるのも手です。

いつどの段階で全権移譲をどうやって行うのか

人が死ぬとその家族はてんやわんやになります。精神的ショックや肉体的疲労も重なれば、普通なら「話せばわかる」ことも通じなくなります。
そんなタイミングで「パソコンの前に座ってこれらの手続きをしてくれ」と指示を実行するのは難しいでしょう。また、信頼する友人にそれを頼んでおいても、混乱しているところにいきなり友人を名乗る人がやってきても、疑われてしまいます。

死んだら自分はメールもLINEもメッセンジャーも使えないし、いつ解約作業の依頼をし、実行してもらうのか。これも悩ましいけれどクリアしないとならない問題です。

最もいいのが予め話し合っておくこと。作業を依頼する相手との話し合いはもちろんのこと、友人に依頼するなら「このようなことが起きた時には〇〇さんがやってきてこんな作業をしてくれます。こんな手順で進みます」と、身内に段取りを伝えておくことでしょう。

…なんてことを考えていても、実際にこれがうまく機能するかどうか、確かめようがないのが悔しいな。

デジタル時代の身のしまい方は「本人認証」の壁をいかにクリアするかにかかっていますね。セキュリティが厚くなるほどに、困難になります。サービスを提供する側も、本人死亡時にはどのように解約させるか明確にしておいて欲しいですね。