昨年の夏にぽそりと描いた猫の小さな落書き。
夏の床によく落ちている猫の様子を描きたくて描いたもので、絵の出来としてはお粗末なものだったけれど、Facebookに投稿したら意外なほどに反応がよくて嬉しくなりました。
そこから、ムッツリとふてくされているかのような表情の猫を面白がって描き始めて、「むす猫」と名付けてインスタグラムを開設し、本業の傍ら描いては公開しています。
絵描きになろうとしていたのはもう大昔の話で、高校入学直後にちょっと心を病みかけてからは本格的な油彩からは遠ざかりました。昔描いた絵は全て廃棄しました。
かれこれ30年近く絵を描いていなかったブランクからくる衰えを実感しています。まず手が動かない。線がひけない。「もう一度絵を描こう!」なんて思ってパステルなどを買ってみたものの、道具を前に呆然とするばかりでまるで手が動かないのです。表現したい気持ちは身体のなかに閉じ込められたまま、出口を失って暴れているようです。そんなわけで、今は、まずはリハビリと称して鉛筆によるデッサンを重ねています。
8ヶ月で、描く絵は小さな落書きサイズからA4サイズにまで大きくなり、描く対象は大型のネコ科動物になりました。
確実にリハビリは進んでいて、そのうち昔のように油彩に戻るか、新たな表現方法に着手するか、今はまだ決めかねています。
木版もエッチングも好きだったし、慣れ親しんだ油彩は場所が必要なうえに取扱注意の薬品(当然廃棄方法もややこしい)などもあり、現在の住環境から考えて現実的なのかどうなのか…。
デッサンをうまいねと褒められるのはもちろん嬉しくて励みになりますが、デッサンは写実的に描けてナンボです。ピカソも緻密な絵が描けるという技術力の上にキュビズムを展開したわけですし、油絵に比べあまり写実的とは感じられない日本画の画家も、厳密で精緻なデッサンが描ける人たちです。
現実の上に自分だけの城をどう建てるか、すなわち、写実を超えてオリジナル作風をどう展開してゆくかが、絵描きにとっての大問題です。
しかしまずは、ここまでの回復を助けてくださった方々に御礼を述べたいと思います。
絵を描きSNSで公開することを強く勧めてくれた加戸成樹さん。
むす猫の方向性やインスタアカウント開設のアドバイスをくれた森沢麻理さん。
些細な落書きを「大好き!」と称えてくれたMikiさん。
自分のために絵を毎日描きなさいと画材も惜しみなく与えてくれた徳子叔母さん。
活かしてくださいとスケッチブックや鉛筆をわざわざ送ってくださったまあこさん。
猫の絵をインスタに投稿するたびにすごい才能だねと褒めてくれる、わたしのRISIでのインストラクターのJuan David,
あなたは虎なんだから堂々と強く生きなさいと言ってくれたクラスメートのBhaktitara,
快く自分の愛猫のショットを描かせてくれる、SNSつながりの諸氏の皆様。
Facebookやインスタグラムでいいねを押してくれたり、コメントをくれたりする友達の皆様。
本当にありがとうございます。
長い間 故障したままだったエンジンが、やっと復活しそうです。
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