ロルフィング

お尻をほぐすと歩き方が変わり、腰痛や背中の重だるさも改善されます

認定ロルファー™の利香です。

 肩コリや首コリ、腰痛解消法はよく記事になっていますが、お尻のコリやだるさはヘルスケア系の記事で扱われる頻度が低いように感じます。
 
 が、お尻には姿勢維持と歩行に関わる重要な筋肉と靭帯がたくさん集まっています。直立二足歩行をするために使われるヒトの大臀筋のほうが、ゴリラの大臀筋より大きく太いのは有名な話です。

 ところが運動不足や座りっぱなし、変な歩きかた、きつい服装などのせいで、お尻は硬くなりやすい。硬くなったお尻では、自分の脚を運ぶのに余計な力を使うハメになり、腰より上にまでその悪影響は及びます。
 硬くなってしまったお尻をほぐせば歩き方が変わり、腰痛や背中のおもだるさも改善されるのです。ヒトにとって重要なお尻の筋肉のケアについて、今日は書こうと思います。

お尻の横が張るのはどんな人?

 
お尻の横が張るんです…という訴える方は意外に多いというのがわたしの実感です。
 特に、股関節痛があって股関節を曲げずに腰ごとに前に振り出すように歩いている人や、ガニ股の男性(歩行時も爪先が外を向いている。妊婦さんや出産直後の女性にも多い)がこう仰います。
 これは、脚の外側を使って歩いているからです。太ももの横側を触るとガチガチです。
 平坦なところを歩く時に脚を持ち上げる筋肉は大腰筋(だいようきん。体の深層にある筋肉。体表から触るのは難しい)、斜面をのぼるときに主に使う筋肉が大腿直筋(太ももの前側)です。舗装された平坦な道路や、駅の階段ぐらいしか使わない生活なのに、太ももがガチガチになっている…というのはちょっと不自然なんですね。本来は使わなくてもいい筋肉を過剰に使っている証拠です。

どの筋肉が固くなっているの?

『DVD付改訂版 クリニカルマッサージ』((株)医道の日本社 2009年改訂1刷)より引用画像『DVD付改訂版 クリニカルマッサージ』((株)医道の日本社 2009年改訂1刷)より引用

 画像でも確認できるように、骨盤から大腿骨にむけて付着している筋肉はたくさんあります。横尻が張ってしまう人は、それらの中でも特に中臀筋と梨状筋が張っているはずです。

 歩いている時に爪先が外を向いてしまっていませんか?自分では自分の歩き方のチェックが難しいので、膝を伸ばして床に座ってみましょう。その姿勢で自然に脱力した時に、アナログ時計でいったら2時ー3時方向まで爪先が外を向いていたら要注意です。梨状筋肉も張っている可能性があります。

セルフケアの方法

 梨状筋は椅子に座って伸ばしましょう。YouTube動画などによくある、仰向けに寝ての梨状筋ストレッチは、変形性股関節症で痛みがある人は腰で補償作用を起こしてしまい、正しくできません。椅子を使うのがもっとも確実です。

 下の画像のように、座面が固くて平らな椅子に腰掛けて行ってください。膝の真下に足首が来るように位置を調整します。片方の膝にもう片方の脚の足首を載せ、図のように手で足首と膝をしっかり固定します。背中を丸めず上半身をまっすぐに保ったまま、おへそでふくらはぎを触るつもり倒してゆきます。上半身が倒れるに従って、お尻がひっぱられて伸びるのを感じるはずです。

 梨状筋肉ストレッチ画像

 中臀筋のストレッチは、股関節に支障のない人は「中臀筋 ストレッチ」で画像検索をしてみると、様々なストレッチ方法が次々でてきますので、参考になさってください。
 梨状筋と中臀筋のストレッチをしたら、再度、膝を伸ばして床に座って爪先の角度をチェック。さっきよりも爪先が立っているはずです。

 股関節に痛みがある人は、上記リンクで紹介されているような姿勢はいきなりとると危ないので、安全なやり方でゆるめましょう。いちばん安全なのは、仰向けに寝てテニスボールをお尻の下にいれ、自重を利用した指圧の要領でゆるめる方法です。やり方などは特にないので、自分の気持ちいいポイントや圧を探す気持ちで試してみてください。

 腰や股関節に痛みがあるためにお尻のストレッチがうまくできない人は、まずは他人にほぐしてもらうのもいいと思います。解剖学の知識があり、かつ、関節の制限について理解がある人から施術をうけるのが安全かつ最善です。

 

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