認定ロルファー™の利香です。
ロルフィングの１０シリーズセッションでたどるプロセスは人によって様々ですが、感動的な体験や心躍るような体験だけでなく苦しい体験を経る人もいます。 「え…苦しいの？！やだそんなの。お金払ってまで苦しい思いしたくない！」と思いますよね。 今日はロルフィング１０シリーズセッションの過程で避けては通れない、 一見”ネガティブ”にも感じられる経験について書きます。
ロルフィングは常に爽快感をもたらすわけではない
「苦しい体験」と上に書きましたが、身体の苦しさとメンタル面での苦しさとの２種類があります。 １０シリーズセッション中に身体で感じる苦しさ、すなわち不快感には理由があります。
それまでの当たり前が変わる時、身体は不安定になる
身体のバランスや身体に向ける意識が変わると、不安や不快感が生じます。なぜなら、身体が不安定さを感じているからです。
不快感とは、例えば筋肉痛やコリ、痛み、どこが”適切な”ポジションなのかがわからなくなる感覚などです。正しい動作を学ぶと、これまでおやすみしていた筋肉を使い始めることになり筋肉疲労を覚えます。また、身体は「今、いちばん痛いところ」についてだけ痛みを感じるので、当初の主訴となっていた痛みが消えた途端に、別なところに痛みを見出します。
セッションとセッションの間でクライアントは、身体の水平軸と垂直軸のバランスが変わる → 適応する → 新しいパターンの定着 という変容の過程（プロセス）を踏んでいます。適応、つまり新しいパターンを身体に馴染ませる期間も大切なのですが、この間に事故やトラブル、環境の激変等の大きなストレスにさらされたり、不調がひどくなったと感じて整体や長時間のマッサージに行ったりすると、せっかくロルフィングで得られた新しいパターンが十分に定着しません。疲れたからがっつりマッサージにゆこう！という習慣は１０シリーズセッション継続中だけは我慢してください。
身体と心は切り離せない。影響は感情にも
身体の変化は感情にも影響します。「心と身体」と、わたしたちはこのふたつをあたかも区別ができるもののように名付けていますが、身体から心だけをとりだすことができないように、心と身体は本来、きりはなせないものです。
ロルフィングの１０シリーズセッションが進むにつれて、玉ねぎの皮をむくように本来の自分が現れてきます。性格が変わったり、人生の課題に気がつく人もいます。悩んでいたのが嘘のようにあっさり転職したり、決して口答えなどせず我慢して仕事の無茶ぶりに耐えていた人が「セッション２の後、足元がしっかりしたせいかなんだか妙な自信がついて」初めて上司に自分の意見を述べたり、家族やパートナーに対して寛容になったり…といったことが起こるのを、わたしも目の当たりにしてきました。「ロルフィングを受けると人生が変わる」といわれる所以です。
ポジティブな変化も渦中にいる時はつらいものですし、痛みを伴う決断をする人もいます。中には、「気づいてしまった」こと、「我慢できなくなった」ことで葛藤を感じる人もいます。頭では「仕方がないじゃん」と押さえつけていることでも、身体は「イヤだ！」というサインを送り続けます。それをもはや無視できないのに人生に大ナタを思うに任せてふるえない時は、「イヤだ」と「我慢しなくちゃいけない」の狭間で悶々とします。これもまた、爽快感とはほど遠い抑うつ感、モヤモヤを感じさせる体験となります。
１０シリーズセッションを通じて、クライアントは「わたしはどこにいるのか・わたしは何者なのか・身の周りの環境にどうやって関わるのか」を探求する旅に出ます。（これについては→無料のステップメールをご購読ください←）新しい身体で世界と対峙したときどれだけレジリエンスを保って安定していられるかを決めるのは、セッション８以降の統合です。その意味でも、１０シリーズは途中でやめずに最後までやり遂げていただくのをおすすめします。（１０シリーズセッションを途中でやめてしまった方も再開が可能です。別のロルファーで再開するのでも大丈夫です。詳しくはロルファーにご相談ください。ブランクの期間や体の状態によっては、セッション１から受けなおすのをすすめられる場合もあります。）
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