日々のこと

個人事業主は会社員を見下している?

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認定ロルファー™の利香です。

 

■個人事業主は会社員を見下しているのか?

個人事業主の方が凄いと思っているのか?

そんなことを友人から質問されましたので
ここでもまとめておきたいと思います。

 

自分や個人事業主の知人たちをサンプルとして
お答えすると、どちらもノーです。

個人事業主のほとんどが
会社勤めの経験があります。
個人事業主として生きることを
今は選択してはいるものの、
雇われて働くことを
全否定しているわけではありません。

 

■組織で働くメリット

会社勤めのメリットを挙げてみます。

1. 社会的なルール、慣例、マナーが学べる
2.  組織ならではの仕事ができる
3.  上司・同僚からの評価で自分を知ることができる
4.  身分と収入が保証されている

ざっと4つだけ挙げてみました。
3と4については書いたままのことですから
この記事では掘り下げません。

 

ここからぶっちゃけます。

もうね、あのね、
1は、ほんッとーーーーーーーに
シャレにならないぐらい大事なんです!

これが身についていない人は、
まともな個人事業もできやしません。
いや、それ以前に、
まともな社会人になりえません(断言)。

 

宴会の席での上座下座とか、
お酌の仕方がどうとか
そういうことはくそくらえと思って構いませんが
敬語やビジネスレター(メール含む)、
返信のタイミング、仕事の優先順位のつけ方、
他社の担当者との連携に際しての注意点等々
あらゆることが大切です。

 

■時間に対する意識

組織で働いた経験のない人の
非常識な言動に悩まされることが
しばしばあります。

業務時間内に突然電話をかけてくる、
しかも用事はただの雑談、
連絡が1往復で済まない、
たいていの話が要領を得ない、
適切なタイミングでの決断ができない、
ギリギリまで抱え込んで
いきなり仕事を投げる等々。

 

これらは全部他人の時間を奪っていることに他なりません。
企業内で納期管理をしながら
次々やってくるタスクに優先順位をつけながら
限られた時間内で仕上げることに追われて
働いた経験がないために
他人の時間も大事だという感覚がないのでしょう。

時間は、わたしたちに唯一平等に与えられたものです。
お金、才能、容姿、環境等は不平等ですが
時間だけは赤ちゃんも老人も、富豪も貧乏人も平等。
有限だからこそ、人生で最も大切にしたいことのひとつです。

その意識がない人には仕事は任せられないし
お付き合いしたいとも思えません。

 

企業で働いていても
これが身につかない人もいますが
社会人として丁寧な仕事をしている人は
時間管理についての意識がしっかりしています。

 

■”社会の歯車”は必要

次に、2の「組織ならではの仕事ができる」。

これはビッグプロジェクトに限りません。
仕事が分化しているからこそできること
というものがあります。

たとえばわたしは以前、博物館と図書館が
ドッキングしたような施設で働いておりましたが
そこの主な業務は日本の近現代の作家の
遺品,蔵書,原稿の蒐集・保存・閲覧に供すること。

寄託・寄贈を受けた資料を分類整理し、
時には修復し、展示を企画し開催します。

収蔵資料を出版社や個人の記念館に
貸し出しすることもあります。

原稿、草稿、メモ、書簡、ハガキなどの
肉筆資料を翻刻したり、
どんな資料を収蔵しているのか
目録を作成したり
データベースに登録したり等々…
様々な仕事をしていました。
(翻刻:ほんこく:くずし字などの手で書かれた文書を活字に起こす作業)

 

こういう専門的な仕事や
ひとつのことに特化した作業を
先輩方から引き継いで
コツコツと積み上げてゆけるのも
組織に勤めていればこその仕事となります。

これは個人ではとてもできることではありません。
そして、バカ売れする仕事ではないという意味でも
個人では仕事になりません💦
でも、社会としては必要な仕事ですし
誰かがやってくれているから、後世でも活用してもらえるわけですね。

 

記録や記憶に関わるアーカイブ作業のみならず
わたしたちが恩恵に浴している、
ネット環境のインフラの基盤となるプログラミングや
PCやスマホの基板の加工や
品質向上のためのあらゆる作業も同様です。

 

高度に分業化された仕事をやっていると
「わたしだけの成果」といえるものがないために
仕事を過小評価しがちです。

 

しかし過小評価する必要はどこにもありません。
どんな小さな仕事であっても
それがあるからこそ、社会の歯車が
噛み合ってスムーズに回ってゆくわけです。

 

小さな仕事を尊重しない人が
大きな仕事をなし得ることは果たして可能か。

まっとうな個人事業主なら
この答えを知っています。

 

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