認定ロルファーTMの利香です。
ロルフィングのセッションを重ねて興味深く感じるのは、人が日々感じている自分の身体のイメージと実際の身体とにはズレがあるということです。
身体の歪み・垂直線
まっすぐ立つことはできますか?
実際に立ってみると、「まっすぐ」はなかなか難しいことがわかります。下半身と上半身で正中線がずれていたり、おへそを突き出すように立っていたり、どこかにねじれがあったり、膝をがっちりロックして前のめりになっていたり、肩の廻旋があったり、顔の真ん中と胸の真ん中がずれていたり(写真を撮る時にあれこれ注意される場合は要注意)、首を前に突き出していたりします。かくいう私も、顔を右のほうにやや向けたり傾げたりした状態を「まっすぐ」と思い込んでいる時がよくあります。
身体の歪み・水平線
左右対象にある関節が、同じ高さにありますか?
楽な姿勢で立ってみて、左右の骨盤のいちばん出っ張っているところの高さ、膝、肩、目は水平になっていると感じられますか?体重が左右の足に均等に分散しているか、それとも前後左右に偏っていたりしませんか?左右のどちらかの肩にしかカバンがかけられなかったり、脚を組む癖があったり、左脚にばかり体重をのせて立つ癖があったりしませんか?
身体の歪みはなぜ生じる?
利き手や利き足があるように、左右均等に身体を使うのはなかなか難しいものです。そこに加えて、怪我や外科手術後に荷重制限のある生活を送っていたり、内臓疾患からの鈍痛や筋肉の緊張があったり、妊娠出産・子育て(抱っこしたりバギーを押したり)生活の中で身体を効率よく使おうと「工夫」したりするのも歪みの原因となります。視力や聴力の偏り、職場で与えられた作業環境や繰り返しよくする動作が原因になる場合もあります。
脳は繰り返す動作と姿勢が得意になる仕組みを持っているので、「これが普通」と思い込むと、誤ったボディイメージを自分に擦り込んでしまいます。毎日鏡に向かっていても、脳内補正が働くことで身体の歪みに気がつけなくなってしまうのです。
身体の歪みチェック
自分では垂直に立てている、左右対称にある関節はほとんど同じ位置にあると感じていたとしても、客観的にチェックしてみましょう。それには写真がいちばん信頼できます。スマートフォンで家族やパートナーに撮ってもらってみてください。グリッド線(マス目線)を表示させて水平な写真を撮ると、より正確なチェックができます。
- 平らな床に裸足で立つ
- 両手は両脇に垂らす
- 肩や顎の力を抜き
- 顔は正面に向け目は遠くを見る
- 正面・側面・背面をスマホで写真を撮ってもらう
- 画像編集機能などを使って垂線を引く
垂線は正面の写真では、眉間から左右の足の中間地点を結んでひきます。
どこかでその線から身体の中央がずれていませんか?(背面では背中の中央を通る線を画像の上から下まで引いてみてください。)
側面の写真では、耳の上あたりから床に向けて垂線をひきます。耳、肩先・肘・膝・くるぶしが直線上に乗っていますか?どこかが大きくずれていませんか?
これで自分が感じているボディイメージと、実際の体のずれ(ギャップ)がわかります。
身体の歪みがわかったら
このギャップが大きい人は要注意です。歪みを一切認識できていない状態は、若いうちは筋力や体力でなんとかしのげても、歳をとるごとに疲れや痛みを生じさせる原因となります。身体に備わったセンサーが正常に働いていない状態を放置したら、修正はますます困難になります。
ギャップを目で見て「ああ、やっぱりな〜!」と感じた人は、歪みはなんとなく自覚しているけれど普段は意識していない・直せないから放置している状態かと思います。その段階でロルフィングを受けてみてほしいです。身体の歪みに気がつく優秀なセンサーは誰にでも備わっています。ロルフィングなら、そのセンサーを目覚めさせるようなワークができるからです。体験セッションは常時受け付けています。