認定ロルファー™の利香です。
自ら痛みや病を作り出し、患者でいることのメリットを享受している状態というものがあります。
いちばんわかりやすい例は、学校や会社にゆきたくなくて本当に体調不良をおこすというもの。実際に熱を計れば熱があったり、めまいや胃痛、嘔吐といった身体症状があったりする。でも、おやすみが決まればけろりと元気になる。
望んでいる状態とは程遠いことをやらされてると、発動します。口ではいやだと言えない時に、身体が「いやだいやだ!無理〜!」と言ってくれている状態ともいえます。それを「わがまま」「社会性が身につかない」という理由で抑えつけても意味がありません。なぜなら、嫌なものは嫌だから。
抑圧していると、そのうちもっといろいろな病気を起こすようになります。頭で考えた合理的な正論や、安全で無難な選択肢だけに沿って生きるようになると、どんどん不調は増える。病院にゆき、薬を飲み、行動範囲をせばめ、社会をせばめ、視野をせばめ、更に不調は増えてゆく。負のループですね。
自分を責めるのって中毒になるんです。ごめんなさいと言って弱々しく横になっていたら、家族や伴侶、友達、上司や同僚、みんなが優しくしてくれる。「だって病気だから」を口実にすればチャレンジしなくても済むし、嫌なことを正当な理由で回避できちゃう。実に安全な世界なんです。病気を免罪符にすれば「誰も悪くない」と言えるので、自分も他人も悪者にならずに済みます。
これ、言葉遣いにも影響するんですよね。自己主張するときに、過剰なまでにへりくだった文章を書く人がいます。あれは「わたしはこんなに弱いんだから叩かないでね。やさしく思いやってね」っていう信号です。危険回避のために、あらかじめ被害者寄りの立場に立っておくのです。
自分をいつまでも患者という役や病弱キャラ、かよわい存在にしておきたいのかもしれません。重大な試験や面接の日に限って発熱したり嘔吐風邪をひいたりするのも、危険回避行動として自分が選んだ選択肢かもしれません。
わたしはロルファーになるまで常に原因不明の不調に悩まされていたんですけど、なってからは更年期障害程度です。今抱えている膝の痛み(ふとした動作でみずから引き起こした怪我がきっかけ)は、右下肢全体の不調和が原因ですが、これもほんとうの原因はまったく別なところにあるのではないか?と思っています。
こういう状態は誰にでも起こることです。「だから病気はぜんぶ自分が作り出しているんです」といって高価な壺の購入をすすめたり先祖の供養を勧めたりはしません。このメンタリティを責めたところで、なにも解決しません。
ただ、本心で望んでいることと、理屈や世間体や常識で考えて「こうすべき」としたこととが実はかけはなれているのではないかという視点からも身体の不調をみてほしい。病気を排除すべきイヤなものとしてみるのではなく、そこから得ているメリットをみる感じです。自分責めも不要です。また負のループへ迷い込んでしまうだけですからね!
いったん迷い込んだ負のループから脱けだすお手伝い、ロルフィングができるかもしれません。
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