認定ロルファー™️の利香です。
慢性的な首こり、肩こり、頚部のつまり感に悩む人は、恐ろしい荒技を日常的にやっていることがあります。恐ろしい荒技とは、「頭を勢いよく振ってパキッと首を鳴らすこと」。これは爽快感があるかもしれませんが、乱暴な荒技です。
知らないと怖い、頸椎のこと
髪の長い人も、ブンッと勢いよく髪を払いのける仕草を頭ですることがありますが、その拍子に首の筋を違えたりした経験があると思います。寝違えぐらいならまだいいのです。頭(成人では重さ5kgほど)の重さを使って、首をねじりつつ勢いをつけてふると、頸椎から出ている神経を傷つけ、身体のどこかを麻痺させるリスクがあります。
首の骨:頸椎は7つの骨で構成されています。そこからたくさんの神経が出て、頭、体幹、腕の方へと向かっているのが、上の図でも見てとれますね。勢いをつけて首を振ることで、この神経に傷をつけてしまうことがあるのです。滅多にニュースにはなりませんが、こういうケースも起こりうるというリスクを知っておいてください。(そもそもニュースにするかどうか微妙な話題だと思います…。下手したら「おバカニュース」扱いです。表に出てこない、深刻な自損事故(?)は実際にはかなり多いのではないかとわたしは疑っています。)
ゆっくり呼吸するストレッチが首こりにはいい
首こりで詰まった感じがしても、自分の手で左右に倒す穏やかなストレッチや、ゆっくり大きく首を回す動作だけにとどめておいてください。
このイラストのように、鎖骨下に反対側の手をあてがい、頭の重さを利用してゆっくりと倒す(ねじらないこと)と、耳の下まで引っ張られる感じがすると思います。これだけでも胸鎖乳突筋が伸びます。
鎖骨下をほぐすのも、肩コリ解消に役立ちます。
頭の後ろで手を組んで、腕の重みと頭の重みを利用しながらゆっくりと頭を前へと倒す(顎を胸に近づける)のも、背中まで伸びてスッキリします。
ストレッチのコツ
また、ストレッチにせっかち&力任せは禁物です。ストレッチでは「どこがどう伸びているのか」「自分はその時どんな感覚がするのか」「呼吸を止めない」ことを意識してやるのが大事です。
危険、不快の感覚を感じとったら、動作が正しいか、また、力を入れすぎていないか、伸ばしているところ周辺の筋肉を緊張させていないかなどをチェックしてください。
体を乱暴に扱っていませんか?
身体の感覚を鈍くしている人は、身体の発する危険信号やSOSに気がつけなくなっています。最後まで自分の体で生きるのですから、大事に丁寧に扱いましょう。
ロルフィングのクライアントさん達は異口同音に「こんなに丁寧に身体と向き合ったことはなかった」と仰います。身体を気にかけて・気がついて・早めにケアできると、日常はもっと快適になります。