股関節形成不全

ジレンマ

認定ロルファー™の利香です。

Photo by Mark Grafton

久しぶりに臼蓋形成不全のことを書こうかな、と思ったのは、クライアントさんのお話から「患者の感じるジレンマ」をふと思い出したからです。

軽度の臼蓋形成不全の場合、本人もその事実を知らずに過ごすことが多いのですが、中年期以降になって痛みを感じて整形外科を受診→股関節形成不全発覚→初期の変形性股関節症と診断されるという流れになるかと思います。

初めて聞く病名に目を白黒させている状態で、医師からはしゃがむな、階段は降りるな、長時間歩くな、重いものは持つな等々言われ、その一方で「筋力は衰えさせないように」と言われる。

素人にはこれは非常に矛盾して聴こえるんですよね。
「使わなければ筋力は衰えるのに、使うなってどういうこと?」

 

大抵の人はこの疑問を飲み込んだまま帰宅して、ひとりで悶々とするわけです。

専門家は自明のこととして過重制限や運動制限を言い渡します。
が、普段そんなことを考えずに暮らしていた素人には目的や程度がわからない。

患者にとって大切なのは「なんのためにそれをするのか」という目的と、「どういう場合は」「どの程度」を示す条件です。

たとえば動作の制限を理解するにしても、関節に痛みがあるのはなんらかの炎症のサインなので「悪化させないように」「強い痛みのあるうちは」「極力」負担をかけないようにと説明してもらえたらスムーズに理解できます。

そのうえで、具体的にはこんな動作は避けましょうと説明が続けば、「なるほど〜!」と納得できます。

また、筋力の維持については、人工関節置換手術を将来的に受けるにしても、「脚の筋力がある方が手術後の回復が早い」ので「早期回復のために」筋力を維持しておきましょうと説明されたら、目的がはっきりします。

 

理路整然と話してくれる医師ばかりではないので、診察室ではどんどん医師に質問して確認してゆくのをおすすめします。

私は素人なのでお話がまだよく理解できないのですが、と伝えながら「それはなんのためにですか?」「それはこういうことですか?」「具体的にはどういうことですか?」と訊くことは悪いことではありません。

自分の体のことなので、主導権を自分で握っていいのです。こういう質問に丁寧に答えてくれる医師となら、信頼関係も築けますよね。質問を繰り返し、それに対する反応をみるうちに自分の判断基準が明確になってきます。7つの病院を渡り歩く羽目になった私がいうのですから。

ちなみに、私の股関節唇損傷の手術をしてくれた医師は、見事なまでに説明不足・言葉足らずでしたが、訊いた質問にはちゃんと答えてくれました( ^ω^ )

 


**メルマガ登録**

詳しくロルフィングを知りたい方むけに
ロルフィングの基本になる「10シリーズ」を
ゆるく解説するメルマガを配信しています。
無料配信登録は下記URLからどうぞ!
https://mail.os7.biz/add/nN9K

*ロルフィングってなんだ?な方はこちらをクリック。
*お問合せ・ご予約はこちらをクリック。