認定ロルファー™️の利香です。
2020年が明けました。干支は子(ね)。干支が一周し、ここからまた新たな12年間のサイクルが始まります。
炊き出しボランティア初体験
昨日の大晦日、わたしは新宿中央公園におりました。炊き出しにボランティアとして参加したのです。10年近くこの活動にボランティアとして関わっていらっしゃる方に誘われて、それならと参加しました。(主催は新宿連絡会)
モツ煮に薬味のネギをのせ、そのあとは年越しそばの蕎麦をひたすらほぐして器によそい続けてきました。
炊き出しに並ぶ人たちのなかには30代か40代前半と思しき若い人もいたり、高齢な女性の姿もありました。いつもなら見ないようにして通り過ぎてしまうだけの(じろじろ見たら失礼だし、見たくない気持ちも正直あります)方々の顔や目をしっかり見て食事を渡す。お箸や器を渡す時には手にも触れます。
みんな、びっくりするほど冷たくかたい手をしています。当たり前です。寒空の下、家も防寒具もないのですから。
失敗に厳しい社会と負のスパイラル
「自己責任」の語が悪い意味ではびこってしまい、人の意識がとってもギスギスしているなと感じる昨今です。
日本は失敗や不運に対する規範意識がキツくて、留年や就職浪人などに対する視線も厳しい。転職や離婚の回数に対する評価もシビア。繊細さや適応のしづらさ、病気や障害などを抱えている人に対する風当たりもあいかわらずきついです。身内にサポートが必要な人がいても、迂闊に友達にも話せないような空気があります。
人生はトライアンドエラーのはずなんだけど、一度、正道から転がり落ちると社会に復帰できなくなってしまったりする。生活保護はわずかでも蓄えがあったら受けられない。貯金がないまま非正規雇用で働き、病気になって働けなくなったらあっという間に現金はなくなります。家賃を滞納すれば退去せざるをえず、住所がなければ就職できない。でも働いてお金を稼がなくては部屋も借りられない…
そういう負のスパイラルにはまってしまいます。
幸い、わたしは今はこうやってパソコンもスマホもWi-Fi環境もちゃんと揃えられて、屋根の下であたたかいお布団で寝られますが、それも家族や身内がみんな健在であればこその環境だと思っています。
堂々とやり直せる社会に
誰でもあっという間に「あちら側」と思っていたほうに行ってしまう可能性がある。そうなった時に、「お互い様ですよね」と助け合う気持ちのある社会であってくれたら、やり直すことができます。「身内の恥」とか言って抱え込まず、サポートを社会に求められるほうがいいに決まっています。
トライアンドエラーの「エラー」のまま人生終わりたい人はいないと思うのです。なら、他人がエラーを起こしてしんどい境地にはまり込んだ時には、手を差し伸べましょう。
これは他人のための自己犠牲や奉仕ではありません。自分がそうなった時、誰かが助けてくれる土壌を作っているだけです。だからボランティアも自分のためにやっています。本来なら国や地方公共団体のレベルで取り組むべきことですが、国家という実態のないものを動かし運営するのはわたしたち一人一人の国民です。人の意識がサポーティブな方向に向かえば、政治も冷酷ではなくなる…と信じています。
今年も家族が揃って、暖かく豊かなお正月を向かえられたことを感謝しつつ、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。