ココロとカラダ

体の感覚は絵にもあらわれる

ゴッホ自画像・アイキャッチ画像

私が師事している鳥飼規世先生の個展の飾り付けを手伝ってきました。
数十点の作品が展示される個展では、作家の世界観がよりはっきり感じられますね。

会期は12/19-12/24, 早稲田ドラードギャラリーにて。

体の使い方の基盤を決める天と地

ロルフィング的観点では、天と地のどちらからクライアントがリソースを得ているかをみたりします。それによって体の使い方が決まるからです。

どっしり、しっかり、のしのし、ぎゅっが好きな人は概ね地からリソース得ているタイプ。文字どおり、地に足がついていることで安心感や安定感が得られます。動作は重心が下の方にあり、典雅です。

さらさら、ぴょーん、ふわりと軽やかなのが好きな人は、天からリソースを得ています。とにかくお空大好き。飛びたつような感覚でスルスルふわふわするのが得意。動作は重心が高い位置にあり、優雅です。

鳥飼先生もロルフィング10シリーズ卒業生ですが、天にリソースがあるタイプで、描く絵にもそれがよくあらわれています。綱渡りとか玉乗りとかジャグリングとか、重力を感じさせない動作や光景の一瞬を切り取った絵が多いんです。
花が空を舞っていたり、気球やシャボン玉がふわふわしていたり、空いっぱいに羊の王様が手を広げていたり。空という広大な空間を存分に使った表現が素晴らしいのも魅力の一つです。

わたしは典型的な地面大好きタイプなので、どしっとした質感と、地面に接している面積が大きいポーズの猫ばかり描きます。
地面大好き人間からしたら、地に足がついていない状態は安心できない。ふうせんや気球、シャボン玉、高いところで披露する曲芸などからは若干の不安を感じるので、自分で描くモチーフとしては無意識のうちに避けているのかもしれません。

絵にもその人の身体感覚が表れている。そんな視点から絵を鑑賞するのも楽しいですよ。

ダンスやスポーツに限らず、絵画、写真、立体芸術、楽器の演奏にもその人の身体感覚があらわれます。指導者とこの感覚が一致していると、言わんとすることが言葉で伝えやすいのですくすく伸びます。
相手と自分がどこにリソースを持っているのかを理解すると、より深いコミュニケーションが可能になります。ロルフィングのセッション中にこういった視点をお伝えすると、指導者的立場にいるクライアントさんは「ああ!だからか!」と、ご自身の体験と照らしあわせて納得してくださいます。

人を理解するための新たな視点が得られるのも、ロルフィングの面白さです。