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ビジネスメールの基本・スマートな敬語を目指すならやめるべき3つのこと

認定ロルファー™の利香です。

前回の投稿をご覧になった方から「メールの敬語でいつも悩む」というご感想をいただきました。
敬語に苦手意識を持つ方もいますね。
国語教師をしていた時、古典文法を教えていて「現代の口語もこれぐらいはっきりした文法だったらよかったのに」とよく感じました。

そうなんです。

日本語では口語と書き言葉は一致するとは限らず、書き言葉でしか使わない敬語がたくさんあります。また、言葉は生き物なので、間違った使い方がひろがっていつのまにか主流になることもあります。

だから「適切な敬語」のセンスをいきなり育てようとしても、難しいのですよね。

今日は個人事業主のビジネスメールにおける、スマートな敬語表現について書いてみます。

 

1.盛りすぎ禁止!「お」と「ご」は極力省く

今回は「顧客へ送るメールの文章」という設定に限ってお話しします。
メールの基本は、前回も書いた通り「過不足ない情報が書いてあること」です。
読む側を混乱させるような表現は好ましくありませんし、メールでむやみに敬語を多用するのは、かえって慇懃無礼な印象を与えます。

例えば、紙で送られてくるビジネスレターなら「拝啓」や「謹啓」で始まり「敬具」「謹白」でしめくくるのがルールですが、メールでは、(会社同士のやりとりでなければ)これらの表現は省略して構いません。

 

簡潔であることとは、伝えたいことが明確であることです。下のふたつの文章を見比べてみてください。

 

(ア)「まことに恐れ入りますが、お借りしているお部屋は、貸主様とのお約束の都合上、ご予約時刻の10分前からしかご入室いただけません。」

(イ)「セッションルームには、ご予約時刻の10分前からご入室いただけます。」

 

後者の方が「10分前から入室可能」ということが判りやすいですよね。

「お」と「ご」の多用、そして「様」という敬称が入ってくると敬意の対象が散らかってしまい、読む側を混乱させかねません。

「お」と「ご」は取ってしまった方がスッキリするので、「なんか冗長だな」と感じたら差し支えない範囲で取りましょう。どれをとるか悩んだら、いちど全部取り去ります。そうすると残すべきものがはっきりします。

また、敬意の方向を散らかさないという話ですが、メールの文章の敬語は「読み手=顧客のみを敬意の対象とする」のが鉄則です。それ以外の人への敬意は省いてよし!

上の例では話も冗長です。貸主と借主の間の契約やレンタルオフィスの使用条件は、顧客には本来関係のないことですので「貸主様が」「お約束が」云々は省きます。
そうはいってもやたら早くにみえるお客様に困っている場合は、1つの文に盛り込むのではなく、別な文にお願いとして書きます。

「待合室がございませんので、ご予約時刻ちょうどにお越しください」といったような感じです。そうするとこちらの事情もさりげなく伝えられます。

 

2.「させていただく」は避ける

慇懃無礼ですのでやめましょう。これを多用している場合、相手をイラつかせている可能性が高いです。(「「させていただく」は何故失礼なのか」もご一読ください)たいていの場合、「いたします」に置き換えるので十分です。

例)
「ご紹介させていただきます」 → 「ご紹介いたします」
「お電話をさせていただきます」→ 「お電話いたします」
「納品させていただきます」  → 「納品いたします」
「お送りさせていただきます」 → 「お送りいたします」

なにもおかしな印象はありませんよね。基本的で簡単な敬語で十分に表現できます。

 

3.「されてみてください」はやめる

最近よく目にするのがこちらです。これは「私は敬語が使えません」と公言しているようなものなので、やめてくださいね。

正しくは、「なさってください」または「ごらんください」です。
あるいは、相手に何かをしてみることを促したい場合には「なさるのをおすすめします」「なさってはいかがでしょうか」が適切です。

例)
「交換されてみてください」 → 「交換なさってはいかがでしょうか」
「試されてみてください」  → 「お試しください」「試してごらんください」

 

「最近よく目にするからこれもありかな」という判断で、妙な敬語表現をとりいれるのはやめておいたほうが得策です。
有名百貨店の接客を受けていても、びっくりするような言い回しによく遭遇する時代になりましたので、「接客業の人が使っている敬語だから正しい」という判断も通用しなくなっています。

 

敬語は、過剰では意味が通じなくなりますし、カジュアルを装うと大ゴケするアイテムです。どうぞ「基本的で簡潔な敬語」をお使いくださいね。

 

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