認定ロルファー™の利香です。
3回目の音楽療法のときに、先生との会話で気がついたことがいくつかありました。そのうちのひとつがアディクションにまつわるもの。わたしの2大依存ブツだったコーヒーとチョコレートがもうどうでもよくなった時期と、母との関係が変わった時期とがリンクしていることに気がつきました。
コーヒーは濃いものを350ccのマグカップになみなみと淹れて、1日最低3杯は飲まなければ気が済まない。スターバックスではカプチーノをショット追加でトールサイズ以上を飲まないとイライラする。自宅でもカプチーノを淹れて朝からガンガン飲む。アメリカ生活では更に拍車がかかり、朝から晩までブラックコーヒーをガブガブ飲んで、カフェイン過剰摂取状態で高い山に登って動悸がしちゃって死にそうになる体験までしました。そんなこんなで毎日強いコーヒーを飲む生活を、かれこれ20数年続けてきました。
チョコレートは更にひどい。チョコレートの大量摂取で鼻血が止まらなくなっても懲りることなく、手当たり次第に食べてきました。選択肢にチョコレートがあったらためらいなくそれを選ぶ。安価なチョコチップクッキーでも、濃厚なガトーショコラでも高級なショコラショーでもなんでもいい。ただしカカオ成分が60%を超えて苦みが増えるとイヤだったので、わたしが依存していたのは「カカオ風味のついた油脂と砂糖の塊」だったのだろうと思います。
それが本当にどうでもよくなりまして。まず、昨年の夏にチョコレートを食べなくても平気になり、秋にはコーヒーを飲まなくても平気になりました。チョコレートは食べれば「美味しいな」と感じますけど、コーヒーは「美味しくない…」とちょっと切ない展開になっちゃいました。
そんなお話を音楽療法の先生とお話ししていたら、「なにかきっかけとかあったんですか?」と訊かれ、「はて…」と考え込んだのですが、ちょうどその頃に母との関係がゆっくりと確実に変わっていたと気がつきました。
わたしの母はいわゆる良妻賢母の鏡みたいな人です。しかも超絶美人で賢いし才能豊かだし性格よしこさん。そんなハイスペックな良妻賢母の元に生まれた粗暴で不細工な娘がわたし。母はわたしにとって文字どおり神にも等しい存在でした。勝手に劣等感を感じて勝手にこじらせていたというのもありますが、ねじれた愛着関係にあったというのが近いかもしれません。父の認知症発症をうけて、母とわたしの関係も変わりました。これまでは「話さなくちゃなぁ」と思っても話せなかった相続の話題やお金のこと、青色申告のことなどなども色々と話せるようになりました。
カフェインでいつも自分の集中力と持久力を無理やりひっぱりださなくても、ストレスをチョコレートでごまかさなくても、わたしは大丈夫になったのだなと感じます。
音楽療法はカウンセリングではないので、あくまでもこれは先生とわたしのごく私的な会話の副産物ではありますが、気づきのきっかけをいただいたことに感謝しています。自分ひとりの頭の中で漠然と考えているのでは限界がありますね。やはり人との対話はよりよく自分を知るために必須です。いつも決まった相手としか会話をしない環境にあるならば、たまには違う相手と話をしてみるのもいいかもしれません。