認定ロルファー™の利香です。
「力をぬいてくださいと言われても、うまくできない」と度々クライアントから言われます。確かに「肩の力をぬいて」と言われてすんなりぬけるぐらいなら、肩が痛くなったりこったりしませんね。
拝見していると、特に肩・首・腕に力が入って引き上げるようにしているケースが多いように感じられます。パソコンやスマホを長時間操作している生活だからでしょうか。
今日は、自力で上半身の緊張を解き、気持ちよく脱力する方法について書きます。
身体の状態に気づく・知る
これはロルフィング®のセッションでも重視しているのですが、自分の身体が今どういう状態なのかに気づく・知ることが、最初の一歩です。呼吸が浅い、歯を噛みしめている、右肩を引き上げている、首を前に突き出してディスプレイを見ている等々、身体の癖に気がつくことから始めて、どこに力を入れているのかを探ってみてください。
また、からだを締め付ける衣類や重い腕時計やアクセサリーは外します。重いコートや窮屈なブラウスは身体にストレスをかけます。ブレスレットや指輪も肩こりの原因になることがあります。
力が入っているところをゆるめようとしない
「肩の力をぬこう」とか「リラックスしなくちゃ」と思うと、却って意識してしまい、うまくゆきません。身体の状態に気がつくと先に書きましたが、「へ〜、そうなんだ」程度に認識するにとどめておきます。「ここが!ここがダメなのよねアタシ!」みたいに、力んでいるところに意識を集中させないようにしてください。
目・顎・肩・手をゆるめよう
上半身の緊張に関係しているのは顎、目、手、肩です。これらを順にゆるめましょう。
目の緊張を取る
・両目をぎゅっと力いっぱいつむって、ゆっくり3つ数えてからふわっと開ける。
顎の緊張を取る
・目を閉じるか、どこにも焦点を合わせないぼんやりした視界にする
・上の奥歯と下の奥歯の間に少し隙間をあける
・左右の顎関節(口を開閉する時に動くところ)にやさしく人差し指・中指・薬指を揃えてあてがい、ふわふわのスポンジケーキにそっと3本の指の跡を残すような圧で、顔の中心に向けてゆっくりと押して3つ数える
※顎関節は繊細なバランスで成り立っています。顎関節症の方や歯列矯正中の方は特に圧とやりすぎとに気をつけてやってください。
肩をゆるめる
・息を吸いながら両肩を思い切り力をこめて、ぎゅううううっと上に引き上げる
・3つ数えてから、大きく「プハッ」と息を吐き出して腕の重みにまかせてストンと落とす
・3セットぐらいやってみる
手をゆるめる
・息を吸いながら手をぎゅっと固く握りしめる
・3つ数えてから、息を吐き出して手をふわっと開く
・次に、もう一度息を吸いながら手をぎゅっと固く握りしめる
・3つ数えてから、息を吐き出して手を思い切り「パー」の形に開く。指先をなるべく遠くへ届かせるように意識する
・3セットぐらいやってみる
これらのエクササイズをやってみて、上半身がどう変化したのかを味わってみてください。さっきより腕の重みを感じたり、肩が下がっていたりしませんか?脱力したいときには一度最大値で力んでそれを抜く、脱力した状態とはどういう感じかを味わうというのがポイントです。
小さな力でも十分だと知る
日常生活の中で必ずする動作を、不要な力みとともに行っていることもよくあります。鞄を持つ腕や肩に力をこめていませんか?包丁で食材を切る時、包丁をぎゅっと握って力任せに切っていませんか?そういう身体の使い方をしていると、疲労がたまります。
鞄はひきあげなくても肩から中指までのつながりを感じることができれば、力をつかわずに持てます。腕の重みを肩甲骨から包丁へ預けるように切れば疲れません。わたしのセッションではこういった身体の使い方のコツなどもお伝えしていますが、「言われるまで気がつかなかった!」とよく驚かれます。
無意識のうちに力をこめて過緊張の状態にしてしまっていると、身体はその分のエネルギーを無駄に使うことになります。なんだか疲れがとれない、夜寝ている時にも力をこめて首を曲げているという時には、不要な力みがどこかにあるかもしれません。上でご紹介した脱力エクササイズは一般論です。自分に合ったやり方でやってみたい場合は、体験セッションをご活用ください。
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