認定ロルファー™の利香です。
負のスパイラルから脱け出すために心を癒やすときだけでなく、ビジネスの学びの過程においてマインドを変えようと取り組むときにも、「感情を受け入れる」や「そんな自分も認める」といった表現がでてきます。
「わかってます!だけど、気がつけばいつもと同じ思考パターンに陥っちゃうんです!」という場合は、自己受容(受け入れる、認めるをまとめて自己受容と置き換えます)の”最も大切な要素”を見落としているかもしれません。
わたし自身、内観とか自己受容とか認めるとか言われてやってみているつもりでしたが、この最も大切な要素を見落としていたために、ずいぶん時間を無駄にし、遠回りしてしまいました。今日これから書くことが、自己受容に四苦八苦する方のヒントになれば幸いです。
自己受容に最も必要な要素とは?
結論から書いてしまいますね。自己受容には「ジャッジしない」ことが最も必要な要素です。
悲しみを感じた時に「悲しくなんかない!」と否定せず「悲しいと感じている自分」を認識することが第一歩。そして、多くの人がここ止まりになってしまいます。
しかし、「悲しい」という感情に付着しているジャッジ:例えば、悲しいのは”悪い”、”ネガティブ”、”避けたい”等々という価値判断がある限り、それは受容とはいえません。「悲しい」に付随する意味づけから自由になるステップが次の大きな一歩です。
このステップを踏んで初めて、真の意味での受容が起こり、思い込みや窮屈な価値観の鎖を一本断ち切れたということになります。
ジャッジはいつ・誰がしているのか
『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン、2001 サンマーク出版)に、わたしたちの中には「検閲官」がいて自らの思考、行動、感情、身体的な能力、容姿、やりたいこと等々に常にダメだしをしている、ということが書かれています。
この検閲官は善悪二元論で「そんなんじゃダメ」「バカじゃないの?」「調子に乗っていると今に痛い目に遭う」「あんたなんて能力もないくせに」といった具合で、やることなすことにダメだしをしてきます。これこそジャッジメントそのものです。
わたしたちが抱く自分像:セルフイメージは、実はこの検閲官によってなされた評価であることが多いのです。検閲官とは、成長過程で親、きょうだい、友達、教師等の他人から浴びせられた言葉や評価が内面化されたもの。実体はないのです。
ジャッジから自由になることはなぜ大事なのか
人は自ら抱いているセルフイメージ通りの人間になります。そのセルフイメージが、本来のあなたの能力や志向性を否定し抑圧するものだったとしたら?
自分の行動や感情にべったりと付着している価値判断を削ぎ落としてみると、普段、行動のブレーキとして自動的に働く思考や不安が、いかに無意味かがわかります。
やりたいことをやらないのは、お金になるかとかうまくできるかどうかで判断して避けているからかもしれません。「お金になることはいいことで、お金にならないことは悪いことだ」「うまくできるのはいいことで、失敗するのは悪いことだ」というジャッジから自由になりさえすれば、スッとやりたいことができます。
自分では選ばないだろう色の口紅や服を、他人にみたててもらって身につけてみたら意外に似合っていて、「新しい選択肢が増えた!」「わたしってこんな風に見える人だったんだ」と気持ちが高揚することがありますね。思考・行動もそれと同じです。
自己受容とは「自分はこういう人」と認める以上に、自らの中に眠る可能性に日の目をみるチャンスを与えることが大事なのです。それができるのは、内なる検閲官のジャッジから自由になった瞬間です。
ジャッジから自由になる最初の一歩
自己受容が思うようにできていないと焦りを感じる方は、まずは内なる検閲官がどんな言葉で自分を規制しているかに気づいてみてください。
つらいかもしれませんが、自分が自分のアイディアや能力をどのように評価しているのかや、やれない理由をそのままノートに書き出します。書き出してみると、いかに手厳しい評価の連続かがわかると思います。
そして、検閲官にキャラクターを与え、そのキャラが抱いている価値観を書き出します。検閲官はなにを”いい”として高く評価しているのか。なにを”悪い”として低く見下しているのか。客観的にみる立場から、「いい」「悪い」に単純化して、検閲官の価値観を書き出してみてください。
価値観リストを眺めてみて、これは要らない・これにはわたしは同意しないなぁと感じるものから、ジャッジを忘れるようにしていってみてください。これが最初の一歩になります。
浅いところにあるジャッジをひとつずつ外してゆくうちに、大いなる勘違いやいつのまにか作り上げていた謎ルールなどにも気が付けるようになってきます。そうなったらまた次のステージに上がる準備ができたということでもあります。それを楽しみに、ジャッジを外していってください。
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