ココロとカラダ

タコ、ひび割れ、角質化…その足、大丈夫?足裏の異常は黄色信号

認定ロルファー™の利香です。

 前回の記事(「4回のセッションで重心が安定し、バランスをとりやすくなった」)でも書きましたが、ロルフィングでは第2、第4、第6セッションで足・脚に施術します。開業して2年。様々な世代の人の足裏に触れて気がついたことがあります。
 それは足裏の皮膚にタコ、ひび割れ、魚の目、角質化といったなんらかの異常がみられるときは、身体の使い方や足首の可動域に問題がある時だということです。異常はいわば身体からの黄色信号。そのまま誤った使い方を続けていると、足の上に乗っている全身の構造バランスが崩れます。
 また、足裏の皮膚が柔らかすぎる人も要注意です。30歳を過ぎても足裏の肉が(カカトさえ!)ふにゃふにゃと柔らかい人は、足裏に体重を載せていないという点で身体の使い方に問題があります。

 足のセルフケアについてもよくご相談を受けます。実際、足の機能を呼び覚ますようなケアの必要がある方は、確かに多いと感じます。施術には及ばないものの、セルフケアはこつこつと継続することで効果を生みます。最低でも半年は続けてみて欲しいセルフケアを今日はご紹介しますね。

 

足の構造

 足の骨は2階建て構造になっています。カカトの骨(踵骨)の上に距骨という骨が乗っていて、その上に腓骨と脛骨が関節します。距骨が2階部分にあたり、足指の骨:1階部分から距骨:2階へむかってなだらかなスロープになっています。
 このスロープは、筋肉や腱といった軟組織で支えられるものなのですが、それこそが足裏の「アーチ」と呼ばれるものです。

 

アーチの構造と意義

 よく知られているアーチは土踏まずです。実はそれ以外にふたつのアーチが足裏にはあります。ひとつは足の甲の裏にあるもの、もうひとつは小指側にあるものです。上の画像で黒い線で示したように、これら三つのアーチが足のスロープを形作り、地面から身体へ/体から足裏へとかかる衝撃をやわらげる、ショックアブソーバーとして機能します。
 土踏まずがしっかりあっても、体重を体の前あるいは後ろにばかり乗せる癖がある・足首で適切な動作ができていない・土踏まず以外のアーチが機能していない等の理由から、拇指球のあたりにタコができたりカカトがバリバリにひび割れるほどの角質化を起こしたりします。
 鍵を握るのは距骨とアーチの機能なのですが、一般の方が距骨を自力で調整することは難しいので、足首を柔軟にしアーチの感覚を呼び覚ますセルフケアをご紹介します。

 

セルフケア

以下に紹介するものはすべて裸足で行います。中には靴下をはいたままできるものもありますが、足裏に感覚を呼び覚ますのが目的のひとつでもあるので、裸足でやってください。

・足の甲ほぐし

 足の甲は肉が薄く、すぐに骨に触れます。上の画像でもわかるように、甲にはいくつもの細かい骨が整然と並んでいます。足指の骨の間を手指で押して分けるようにマッサージしたら、甲の高くなっている部分はそれぞれの骨の間に隙間をほんの少しつくるような気持ちで、利き手の親指の腹でほぐします。 

 

・足裏ほぐし

 足裏は3つのアーチを思い描き、両手の親指をつかってアーチを彫刻するようにもみほぐします。
 両手で足裏を掴み、拇指側と小指側をそれぞれ反対方向に押したり引いたりするのも効果的です。

 

・足首ストレッチ(壁を利用する)

 壁に向かって立ち、両手を壁にかるく着ける。片方の足のつま先を巾木よりも上に押し当て(かかとは床につけておく。もう片方の足は後ろに引き、倒れないようにしっかり身体を支える)、身体全体をゆっくりと壁に近寄せてゆく。左右とも同じだけの回数をやる。

 

・足首まわし

 
 足指の間に反対側の手の指を足裏側からさしいれ、がっつりと掴んだら、もう片方の手で足首よりやや上を押さえて安定させる。そのまま掴んだ手を用いてゆっくりと足首を回す。 時計回り5回・反時計回り5回で1セット。各足とも3セットずつ行う。

 

・親指エクササイズ

 床に立ち、足裏に意識を向けてから(床の温度、感触、足裏のどこに体重がのっているかなどを感じてみてください)親指だけ立ててゆっくり5つ数える。次に親指は寝かせて親指以外を立ててゆっくり5つ数える。これを交互に行って1セット。全部で3セットが目標です。アーチが機能していない人は、「親指以外を立てる」が苦手で最初はできないかもしれません。その時は手で補助して動作を身体に覚えさせてください。
 また、足裏が攣りそうになった際はすぐにやめてください。椅子に腰掛けて足裏を床にしっかりつけて、体重はかけない状態でやってみましょう。

 

・toe hinge エクササイズ

爪先立ち&ビー玉つかみ

 床に立ち(片方の手を壁にかるくついて転倒防止対策をしてください)両足で爪先立ちをする。ゆっくり5秒数えて静かに足裏全部を床につける。ドスンとカカトを落とさないように気をつけてください。5〜10回が目安。
 
 椅子または床に座り、床に置いたビー玉を足で掴んでボウルに入れる。ビー玉は10個以上あるといいのですが、ない場合は一つをボウルから出したり入れたりして使ってください。片足10回。(小さなブロックやボールペン、ペットボトルキャップなどでも構いません。「バリ」と呼ばれる突起が残っているようなプラスチック製品は避けてください)

 

 足は身体の土台を支える大切な場所です。機能的なアーチを手に入れて、颯爽と歩けるようになりたいですね。足裏のトラブルが深刻な場合や、セルフケアを続けるのに自信がない場合は、身体の使い方を見て全身のバランスを整える施術を受けてみてください。ただいまお得な企画を開催中です。

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