ココロとカラダ

筋力がない女性は不調を抱えやすい 今日からできる運動習慣

認定ロルファー™の利香です。

「筋力がない」「筋肉がない」ということばを、複数のクライアントさんたちからよくききます。特に中高年の女性がこれを気になさっている様子なのは、健康で動ける身体の大切さをよくご存知だからでしょう。身体が健康であることは、充実して仕合わせな人生に欠かせない要素です。

 シビアな話をすると、20歳をピークにして人の身体は衰え始めます。特に現代は「座りっぱなしの仕事」「立ちっぱなしの仕事」のように、動作のバリエーションが極端に少ない生活が当たり前になっています。心がけて運動していないと、まったく使わない筋肉というものがどうしてもでてきてしまいます。

 若い時から”女性らしくない”身体を敬遠したり、筋肉を心がけて鍛えずにいると、冷えやむくみ、下肢静脈瘤、関節痛、尿漏れ、慢性的な肩こりや腰痛、ホルモン分泌の乱れ、自律神経の乱れ、肌荒れ、太りやすくて痩せにくい身体といった問題を引き起こします。

 今日は30代以上の女性が特に気にすべき、筋肉と運動について書きます。

 

1.筋肉の働きと役割

・姿勢保持

 筋肉には、骨格を支え、関節を動かすという大きな働きがあります。身体には常に重力がかかっていて、この重力の下で、姿勢を保持しながら生活するわたしたちにとって筋肉はなくてはならないものです。
 
 姿勢がよくて質の良い筋肉がほどよくついていれば、関節の痛みに悩まされることは滅多にありません。(先天的な骨格の形成不全や、膠原病等軟組織の疾病をのぞきます)関節が痛む時とは、姿勢や動作に課題がある場合がほとんどです。リウマチ、膠原病、形成不全がないのに、股関節・膝関節・肩や首に痛みがある場合は、まずは姿勢と動作を見直してください。

 

・関節と内臓の保護

 大部分の筋肉は、関節をまたいで骨に付いています。収縮してテコの原理を用いて関節を曲げることで、動作が可能になります。

 また、関節を覆うようについている腱膜、靭帯、腱といった軟組織も含め、筋肉には関節を保護するという役割もあります。

 筋肉には内臓や血管を保護する役割もあります。特にお腹は骨格で囲われておらず、筋肉や脂肪だけが頼りという状態です。女性のお腹には子宮や卵巣といった大切な生殖器がありますので、脂肪がここに集中してつくのも道理です。

・熱を作り出す

 痩せている人に多い冷え性。それは筋肉量が足りないからかもしれません。
 筋肉には熱を作り出し身体を温める働きがあります。一定の体温を保つために、筋肉は欠かせません。筋肉のエネルギー源は糖質と脂質です。極端なダイエットや糖質制限により体調を崩す人がいるのも当たり前ですね。

 筋肉が適度についていることにより、その筋肉維持のためにエネルギーを常に使いますので、太りにくくなります。だから食事制限だけのダイエットは危険で、運動を取り入れたダイエットが推奨されるのです。

 

2.運動習慣と筋肉

 運動習慣のない人の筋肉量は、30代以降、1年に約5%ずつ落ちてゆくと言われています。高齢になるほどに骨粗鬆症や関節の衰え、内臓疾患からくる合併症のリスクが高まりますので、早いうちから運動習慣を身につけ、筋肉をほどよくつける必要があります。下記に当てはまる項目が多いほど、運動が必要です。

 ・電車では座りたい
 ・1日8時間以上デスクの前に座っている
 ・なにもないところでよくつまずく
 ・階段とエスカレーターがあったらエスカレーターをつかう
 ・コートや上着のポケットによく手を入れている
 ・立っている時はどこかにもたれていたい
 ・片足立ちのまま60秒以上静止していられない
 ・ソファや床にすぐごろ寝したくなる
 ・椅子に座っているときはいつも脚を組んでいる
 ・椅子の背もたれには全面的に寄りかかりたい
 ・くしゃみや咳をした瞬間に尿漏れまたはおならがでる
 ・ちょっとの移動でも車を使う
 ・生活しているだけで疲れる

いかがですか?当てはまる項目が3つ以上ある場合は…かなりきてます!

 

3.筋肉をつけるには?

 ジムに通ったりパーソナルトレーナーをつけたりするのがいちばん安全で確実な方法ですが、そうとばかり言っていられません。また、ジムに通っている時だけ必死にトレーニングをしても、普段の生活が怠惰そのものだったら意味がありません。まずは日常生活の行動を変えてみましょう。

 ・エスカレーターではなく階段を使う
 ・もたれかからず、自分の二本の脚を均等に使って立つ
 ・一駅歩いて帰る曜日を設ける
 ・徒歩25分程度の距離ならバスや車を使わずに歩く
 ・歩くスピードを上げる
 ・ゴロ寝習慣をやめる
 ・バランスよく脂質、糖質、たんぱく質をとる食事にする

このように、立つ・歩く・座るという、日常的に必ずする動作で筋肉を使うことから始めてみてはいかがでしょうか。(良質な食事は筋肉をつくるために必要ですので、付け加えてみました)

 また、すでに関節痛や腰痛、頑固な首こりがある人は、姿勢と動作に課題があります。姿勢を整えることも同時進行で行った方が、運動やトレーニングで身体を傷めるリスクが減ります。姿勢と動作を整えるには、「動作の再教育」がセッションに組み込まれているロルフィングも効果があります。
 健康な身体でいることは、自立した生活を楽しく長く続ける鍵です。始めるのに遅すぎるということはありません。今日からでも運動を心がけてくださいね!

 

ロルフィングについて詳しく知りたい方はこちら:「ロルフィングはなにに効く?」

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