わたしのこと

生理学模型に色をつけるボランティアに参加してみました

認定ロルファー™の利香です。発達支援コーチングをきっかけにFacebookで知り合った方とともに、炎暑の中、横浜市立盲特別支援学校に行ってきました。目的はボランティア活動という名の楽しい色つけ作業。

 
 
 「盲(もう)」といっても、一切なにも見えないわけではありません。光や色は少しは感じるけれど、眼鏡やコンタクトレンズといった矯正器具では視力がでない人たちもいます。時々、電車の中でスマホを独特な角度で目にぐーっと近づけている人を見かけることがあるかと思います。そのように、白杖を持つまででもない、目にモノを近づければなんとか文字も見える・色の識別もつくという方もたくさんいます。
 今回は生理学・解剖学用模型の色つけをしてきました。はっきりくっきりした色分けをしているのは、視力が弱い生徒さんたちのためだからです。 

 画像に写っているのは、アクチンとミオシンの作用によって筋肉が収縮したり元に戻ったりする様子を、わかりやすく単純化した模型です。(ミオシン頭部をわたしはひたすら青く塗っていました。鎌みたいにみえるパーツです)
 
 他のボランティアさんたちと担当の色を決めて手分けして、腎臓のフィルター構造や環椎(C1)、軸椎(C2)などを塗りまくりました。一緒にいったS子さんは前立腺の模型や、お隣になった方は横隔膜、心臓、眼球および視神経の模型といったレアなものなども塗っていらしてうらやましかったです。骨や胃下垂の模型図とかもあったりして、それだけでワクワクしてしまう解剖学好きにはたまらないかと思います。特に、生理学の模式図は普段自分が目にしている解剖学書の平面的なイラストとはまったく異なっていて、とても興味深かったです。

 指導してくださる先生は、飄々としたとても自由な感じの方で、模型がなにを表しているのかを生理学的な説明も交えて教えてくれました。作業としては「ここはこの色、あっちは何色」という指示を先生がしてくれて、見本も用意されているので解剖学・生理学を理解していなくてもできます。が、知っていた方が「どこまで塗ってもいいのか」「これはなにを表しているのか」が判断できるので作業しやすいと思います。
 特に顔の中の方の模型(蝶形骨とそこからでている神経、脳の各部位の一部分だけの模型や視神経の模型等)は、知識がひとつもないと「なんじゃこりゃ」なので、解剖学アプリを開きながら作業するとより間違いがありません。弱視の生徒さんが理解しやすいように色分けをするという目的を常に念頭におきながら、判別しやすい色使いで正確に塗ることだけが大事です。

 ボランティアはわたしたちを含め11名ほど(中途退出や途中からの参加もOK)でした。皆さん、電車で数駅程度のところからお越しになっているようで、何度も足を運んでいるベテランさんも多いようにお見受けしました。ボランティアで行っているのに学校から飲み物や飴を頂戴してしまい、かえって恐縮しました…。

 横浜市立盲特別支援学校は、JR横浜線大口駅から徒歩8分(急坂をのぼります)です。横浜駅からはスクールバスもでているそうです。8月第2週以降は学校そのものがおやすみになるので、次のボランティア活動は9月までありません。興味のある方は是非参加なさってください!
※下記リンクは現在リンク切れになってしまいましたのでリンク解除してあります。(2022.02.)
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/ss/yokomou/summary/access/index.html

【9月のボランティア作業日程】
9/3(月)、5(水)、10(月)、13(木)、25(火)、28(金)
・各日13:30~16:00ころまで。途中退室、途中参加も可。
・事前連絡、申込等不要
・エプロン、マスク(防塵目的)、ウェットティッシュ、飲み物を持参されるのをおすすめします。
※プラモデル用塗料や薄め液の臭いが苦手な人にはお勧めできません。窓を閉め切って空調をきかせた部屋での作業となります(教室から廊下へと通じるドアは開けてある)。3時間の作業でもわたしは全く平気でしたが、化学物質に過敏な人にはつらいと思います。